安息香酸ナトリウムsodium benzoate
合成保存料。長期使用への懸念が議論されています。
分類: 保存料・酸化防止剤 最終更新: 2026-06-28
犬・猫での見方
犬
条件つき・注意
犬は他種に比べ耐性があるとされるが、合成保存料として規制上限の管理が前提。フードへの使用は量の確認が望まれる。
猫
避けたい
猫はグルクロン酸抱合能(UGT)が乏しく安息香酸の代謝が苦手なため感受性が高いことが報告されている。中毒事例も複数報告されており、猫向けでは特に注意・回避が望ましい。
期待される役割
細菌・カビの増殖を抑える合成保存料(酸性条件で効果)。
注意したい点
猫はグルクロン酸抱合の種差により蓄積しやすく、過剰摂取で神経症状などの中毒が報告されている。
詳しい解説
安息香酸ナトリウムは、細菌やカビを抑えるために使われる合成の保存料です。
猫では扱いが違う
猫は、安息香酸を分解するしくみが弱い動物です。
体内で物質を処理する経路(グルクロン酸抱合)をになう酵素が乏しく、 別の経路(グリシン抱合)も非常に遅いことが査読論文で報告されています。 そのためほかの動物より感受性が高く、猫での中毒事例も報告されています。
医薬品でも、猫に使う場合は安息香酸やベンジルアルコールを最小限にすべきだと指摘されています。
猫用の製品で気になる場合は、量の管理が明示されているか確認してください。 犬では猫ほどの懸念は指摘されていません。
表示での見え方
「保存料(安息香酸Na)」のように書かれます。
根拠(3件)
査読論文
猫は主要なフェノール系UGTを欠きグルクロン酸抱合による代謝が他種より著しく遅いため、安息香酸系を含む特定物質の感受性が高いことが報告されている。
Court MH. Feline drug metabolism and disposition: pharmacokinetic evidence for species differences. Vet Clin North Am Small Anim Pract 2013;43(5):1039-54 PubMed (PMID 23890237)DOI 10.1016/j.cvsm.2013.05.002
査読論文
猫において安息香酸はグルクロン酸抱合ができずグリシン抱合も非常に遅いため、医薬品中の安息香酸・ベンジルアルコールは最小限にすべきと指摘され過量で中毒の危険があると報告されている。
Janz R. Benzoic acid hazard in cat preparations. Vet Rec 1989 PubMed (PMID 2773200)
査読論文
猫での実験的安息香酸投与により中毒症状(神経症状等)が生じることが報告されている。
Bedford PG, Clarke EG. Experimental benzoic acid poisoning in the cat. Vet Rec 1972 PubMed (PMID 4672555)
この内容は一般的な情報であり、診断や個別の助言ではありません。 いま与えているフードや体調について判断が必要なときは、かかりつけの獣医師にご相談ください。