犬猫小町(準備中)

生肉は犬猫にとって良いのか?

ローフードの消化率と細菌汚染リスク、最新研究を両論併記で解説。

約4分 最終更新: 2026-07-28

SNSで人気の「ローフード」。消化率の高さと細菌汚染リスク、最新の研究を整理します。 ## なぜこれが気になるの? 「犬はオオカミの子孫だから、生肉が自然な食事」という考え方から、BARF(Biologically Appropriate Raw Food)やローフードが注目を集めています。実際のところ、科学はどう言っているのでしょうか? ## 消化率は高いとの研究報告 2024年の研究(Geary ら、Translational Animal Science)では、生食(冷凍生肉・フリーズドライ)は一般的なドライフード(エクストルード製法)よりも 消化率が高い傾向 が報告されています。 加熱処理を経ないため、タンパク質や脂肪の変性が少なく、消化吸収されやすい可能性があると考えられています。 ## しかし、見過ごせない細菌汚染リスク 一方で、生肉フードには 深刻な細菌汚染リスク が繰り返し報告されています。 ### 2025年の最新報告 - Bernaquez ら(2025年、Communications Medicine): 生肉フードを与えた犬から広域薬剤耐性サルモネラが検出され、犬を介してヒト(特に幼児)に感染した初の疫学的報告が発表されました。複数の入院例が含まれています

  • Indra ら(2025年): タイで市販されている生肉フード20製品を調べたところ、80%で薬剤耐性大腸菌70%でサルモネラが検出されたと報告されています ### 以前からの蓄積 - Groat ら(2022年): 生肉フードを食べた犬の糞便から54%の割合で薬剤耐性大腸菌が検出(非生肉群は17%)
  • van Bree ら(2018年): 市販RMBD 35製品中、大腸菌80%、リステリア54%、サルモネラ20%が検出 ## 「凍結乾燥なら安全」は本当? フリーズドライ(凍結乾燥)は水分活性を下げるため細菌の増殖は抑制されますが、病原菌を完全に不活化するわけではないと報告されています。フリーズドライ処理後もサルモネラが検出された事例が複数あります。 一方、HPP(高圧処理)は病原菌を効果的に減少させる方法として研究されていますが、全ての市販品に採用されているわけではありません。 ## 栄養バランスの問題 2025年の総説(Lyu ら、Animals)では、自家製の生肉食で栄養バランスが偏る報告が多いことが指摘されています。特にカルシウム・リン比、微量ミネラル(セレン・銅・亜鉛)の欠乏が課題とされています。 ## 獣医学界のポジション WSAVA(世界小動物獣医師会)、FDA(米国食品医薬品局)、CDC(米国疾病予防管理センター)はいずれも「現時点で RMBD の健康上の利点を適切に文書化した証拠は存在せず、リスクは十分に文書化されている」との立場を示しています。 ## 飼い主としてどうすればいい? - 総合栄養食をベースに することが最も安全な選択です
  • 生肉を与えたい場合は、おやつ程度に留め、必ずかかりつけ獣医に相談してください
  • 幼児、高齢者、免疫力の低い方がいるご家庭では、生肉フードの取り扱いに特に注意が必要です(細菌が家庭内で広がるリスク)
  • 市販の生肉フードを選ぶ場合は、HPP(高圧処理)済みの表記を確認するのも一つの方法です --- 📖 読了目安: 4分 🔬 参考文献: PMID 39943063 / 39687915 / 40652560 / 35191029 / DOI 10.1038/s43856-025-00919-2 / WSAVA 2020 ⚕️ 気になる症状がある場合は、必ず獣医師にご相談ください。

出典(6件)

この記事は一般的な情報であり、診断や個別の助言ではありません。 うちの子に合うかどうかは、かかりつけの獣医師にご相談ください。