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犬や猫の葬儀・火葬の選び方

プラン名ではなく、3つの問いで確かめる

# 犬や猫の葬儀・火葬の選び方 **プラン名では、中身は決まりません。** 同じ「個別火葬」が、立ち会える施設と立ち会えない施設の両方で使われています。確かめたいのは3つです。ほかの子と一緒の炉に入らないか、立ち会えるか、お骨が返るか。言葉で聞けば、行き違いの多くは防げます。 ## 「個別火葬」と書いてあれば、立ち会えるのでしょうか 必ずしもそうではありません。実際に公式の料金ページを確認した2つの施設を並べます。 **慈恵院 府中本山**(東京都府中市)の「個別火葬」は、小型犬で38,ペット火葬円(税込)。ページには「お引き取りの翌日、当院の係員が一体づつ個別に火葬します」とあります。立ち会いたい場合は「お見送り(立会火葬)」という別のプラン(60,ペット火葬円)を選ぶことになります。 **VIPペットサービス**(東京都足立区)の「個別葬」は、犬5kgまでで37,400円。こちらは内容の説明が「ご遺体お預かり〜立ち合い火葬〜お骨拾い〜ご返骨(骨壺・オリジナルふくさ)込み」となっており、立ち会いとお骨上げがプランに含まれています。 掲載額はほぼ同じです(なお、慈恵院のページには税込と明記があり、VIPペットサービスのページには税の表記がありません)。それでも、片方の「個別」は係員が火葬するプランを指し、もう片方の「個別」は家族が立ち会うプランを指しています。どちらが正しいという話ではなく、**業界に共通の呼び方が存在しない**というだけのことです。 当サイトが調べた範囲でも、この揺れははっきり出ました。プラン名を公式サイトから記録できた86施設のうち、「個別」を含むプラン名を**立ち会いのない一任の意味で使っていた施設が59、立ち会いを含む意味で使っていた施設が34**ありました。さらに、その両方を使い分けている施設が31あります。「個別火葬」「個別葬」「個別」という語だけをプラン名にしていた13施設に絞ると、**その名称が立ち会いを伴わない火葬を指していたのが10施設、立ち会いを含む意味で使っていたのが1施設**でした。残る2施設は、立ち会っても立ち会わなくても同額と明記していたものが1施設、立ち会いの有無を明記していなかったものが1施設です。 もうひとつ、書かれていないことにも触れておきます。「その子だけを1体ずつ火葬する」と公式サイトに明記していたのは**92施設のうち51施設**で、残る41施設には記載がありませんでした。記載がないことは「ほかの子と一緒の炉に入れる」という意味ではありません。書かれていないだけの場合もあります。気になるときは、確認してみてください。 ## では、何を聞けばいいのでしょうか プラン名を確認する代わりに、次の3つを言葉で尋ねてみてください。どの施設でも、同じ言葉で通じます。 **1. ほかの子と一緒の炉で火葬されますか。** 「個別」という言葉を使わずに聞くのがこつです。その子だけで火葬されるのか、同じ炉に複数の子が入るのかを、そのまま尋ねます。 **2. 火葬に立ち会えますか。お骨上げはできますか。** 立ち会いとお骨上げは別のことです。炉に入れるところまで見送れても、お骨上げは家族が行わない施設があります。両方まとめて聞いてください。 **3. お骨は返りますか。いつ、どこで受け取れますか。** 返骨の有無だけでなく、当日その場なのか、後日の受け取りか、配送かで、そのあとの過ごし方が変わります。 合同火葬では、お骨は戻りません。あとから個別に切り替えられる選択ではないので、その点だけは先に確かめておくと安心です。どちらを選ぶかに、正しい答えはありません。 この3点は、当サイトが独自に考えたものではありません。埼玉県の生活衛生課が公開している「ペットが亡くなったとき」というページには、ペット葬儀業者との契約前に確認することとして、次の項目が挙げられています。 > 葬儀業者の住所や連絡先/火葬に立ち会うことができるか/火葬は個別か、それとも合同か/火葬する場所はどこか/遺骨は返還してもらえるか/葬儀にかかる費用はいくらか(追加費用はあるか、料金表はあるか)

── 埼玉県 保健医療部生活衛生課「ペットが亡くなったとき」(2025年6月27日掲載) 同じページには「近年犬や猫の葬儀にかかわるトラブルが増えています」との記載もあります。行政が確認を呼びかけている項目なので、遠慮なく聞いて構いません。 ## 契約の前に、ほかに何を確かめておけばよいでしょうか ### 総額はいくらになりますか 料金表がどこまで公開されているかは、施設によってかなり違いました。92施設のうち、体格別・プラン別の料金表を公開していたのが62施設、一部のみの公開が21施設、「〜円から」という下限だけの表示が7施設、料金の記載がなかったのが2施設です。 下限だけが書かれている場合、その金額で済むとは限りません。プラン名と体格を伝えたうえで、その条件での総額を聞いてください。 人の葬儀についてですが、国民生活センターは2026年6月3日に「依然として多い葬儀サービスの料金トラブル−「家族葬だから安い」と思っていませんか?−」という公表を行っています。消費者へのアドバイスとして挙げられているのは「見積書は必ず受領し、内容(明細)をよく確認しましょう」「葬儀社との打ち合わせは親族や第三者など複数で行いましょう」でした。犬や猫の葬儀を対象にした公表ではありませんが、金額の確かめ方としては同じことが言えます。可能なら、メールなど文字に残る形でもらっておくと安心です。 ### 別料金になるものはありますか 92施設のうち47施設が、追加でかかる費用を公式サイトに書いていました。よく見かけたのは、骨壺代、お迎え(搬送)の費用、夜間・時間外の割増、納骨や合祀の費用です。 骨壺ひとつとっても扱いは分かれます。プラン料金に込みと明記していたのが31施設、別売が6施設、プランによって異なるとしていたのが8施設で、残りは記載がありませんでした。「一式」「セット」と書かれていても、何が入っているかは施設ごとに違います。 ### 持ち込みですか、迎えに来てもらいますか ここで金額が大きく動きます。 ペットセレモニーホール(横浜市神奈川区)の公式料金ページでは、合同火葬の5kgまでが、持ち込みで4,400円、お迎えを頼むと15,400円と、別々の表として掲載されています(いずれも税込)。3.5倍の差です。 92施設の料金表がどちらを前提にしているかを分類すると、お迎え込みが36施設、持ち込みが19施設、公式サイトからは判断できなかったものが16施設、記載自体がなかったものが21施設でした。掲載額がどちらの前提なのかが読み取れない施設が、少なくない数あります。 家から施設まで自分で連れて行けるか、行けないかは、そのときの状況で決まります。掲載されている料金がどちらの前提なのかを、金額を聞くのと同時に確認してください。 ### 火葬する場所はどこですか 受付をする事業者と、実際に火葬を行う事業者が同じとは限りません。当サイトの調査では、公式サイトの記載から同一と判断できたのが73施設、別の事業者に委託していると明記していたのが3施設でした。 たとえば秋川霊園の鹿光墓苑(東京都西多摩郡日の出町)は、公式サイトに「※火葬は、委託業者BGペットメモリアルが執り行います。」と明記しています。委託そのものに問題があるわけではありません。ただ、どこで火葬されるのかは、埼玉県の確認リストにも挙がっている項目です。公式サイトに書かれていなければ、電話で尋ねてください。 ### 一緒に入れてあげたいものはありますか 副葬品の扱いは、施設によって答えが分かれます。「入れられるもの・入れられないもの」を公式サイトに書いていたのは92施設のうち55施設で、そのうち花(生花・お花)に言及していたのが49施設、プラスチック類が22施設、金属類(金属・金物・金具)が19施設、おもちゃが16施設でした。 同じ「おもちゃ」でも、入れてよいとしている施設と、ご遠慮くださいとしている施設の両方があります。理由は炉やお骨への影響で、意地悪をしているわけではありません。入れたいものが決まっているなら、施設を決める前に伝えておくと、当日に困らずにすみます。 ## 施設の種類によって、何が違うのでしょうか 首都圏(東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県)で調べた92施設を業態で分けると、次のようになりました。それぞれに向き不向きがあり、どれが優れているという順位はつきません。 | 業態 | 施設数 | 特徴(中立) | 確認しておきたいこと | |------|------|-----------|------------------| | 霊園併設火葬場 | 48 | 火葬のあとの納骨堂・墓地・供養までを同じ場所で相談できることが多い | 納骨や年間管理費が別料金かどうか | | 固定火葬場 | 18 | 火葬設備を持つ施設に持ち込む、または迎えに来てもらう | 立ち会いや待合の設備があるか | | 寺院 | 12 | 読経・法要をあわせて依頼できる場合がある | 読経が料金に含まれるか、お布施が別途か | | 移動火葬車 | 13 | 火葬炉を積んだ車が自宅などに来る。移動が難しいときの選択肢 | 火葬を行う場所、停車できるスペース、近隣への配慮 | | 仲介・紹介 | 1 | 受付をする事業者と実際に火葬する事業者が別 | どの施設で行うのか、掲載額が目安か確定額か | 数字の傾向も、業態でいくらか違いました。納骨堂や供養塔などの供養設備に言及していたのは、霊園併設火葬場では48施設中47、移動火葬車では13施設中5でした。お別れのための専用の部屋があると書いていたのは全体で33施設、待合室のみが14施設、自宅で行う形が12施設、記載がなかったのが33施設です。24時間の受付ができると書いていたのは92施設中41施設で、移動火葬車では13施設中10施設がそう書いていました。 立会個別火葬の料金にも差はありますが、母数が小さいので参考程度に見てください。中央値は霊園併設火葬場が37,200円(n=32)、固定火葬場が37,400円(n=11)、寺院が34,ペット火葬円(n=6)、移動火葬車が24,650円(n=10)でした。 ### 移動火葬車について、補足しておきます 自宅の前や、いつも散歩していた場所でお別れができるのは、この業態にしかない特徴です。同時に、制度の位置づけを知っておくと確認がしやすくなります。 犬や猫の火葬・霊園業には、国の許認可制度が設けられていません。昭和52年に国が示した見解(兵庫県生活部長からの照会 環整第125号に対する、厚生省環境衛生局水道環境部計画課長回答 昭和52年8月3日 環計第78号。現在は環境省の法令データベースに収録)では、動物霊園事業において取り扱われる動物の死体は廃棄物処理法第2条第1項の廃棄物には該当しないとされており、この分野は廃棄物処理の枠組みからも外れています。地方自治研究機構の調査は「動物霊園事業において取り扱われる動物の死体に関する法律は存在せず、また、動物霊園事業に係る『火葬場』、『墓地』『葬祭』『納骨堂』の設置及び管理運営の基準に関する法律は存在しない」と記しています。 そのため規制は自治体の条例に委ねられており、同機構は令和7年11月1日時点で122の条例を確認しています。移動火葬車の扱いは条例によって分かれ、届出制をとるもの(我孫子市・新座市・堺市など)と、許可制をとるもの(志木市・京都市・玉野市・寝屋川市・潮来市・宇治市など)があります。 これは業態の良し悪しの話ではありません。営業する地域でどの扱いになっているかを、施設に聞いてよいという意味です。なお当サイトの調査では、条例上の位置づけを公式サイトから確認できた施設は、業態を問わず1件もありませんでした(92施設すべて「未確認」)。書かれていない情報なので、聞くしかありません。 ### 公営の火葬場という選択肢もあります 埼玉県のページは「県内の公営火葬場では動物用の火葬炉を併設している場合があります」「また、各市町村のクリーンセンターなどでも、廃棄物とは区別して個別に火葬している場合があります」とも記しています。返骨や供養の扱いは自治体によって異なるため、お住まいの市区町村に直接確認してください。 ## 費用はどのくらいかかるのでしょうか 首都圏の施設が公式サイトで公開している料金表から、小型犬〜5kgクラスの税込額を集計した中央値です。 | 形式 | 遺骨 | 中央値 | 集計対象 | |------|------|--------|---------| | 合同火葬 | 返ってきません | 18,700円 | 45施設 | | 一任個別火葬 | 返ってきます | 27,ペット火葬円 | 58施設 | | 立会個別火葬 | 返ってきます | 35,ペット火葬円 | 59施設 | 体格が大きいほど高くなります。また、上で書いたとおり、この金額が持ち込み前提かお迎え込みかは施設によって違います。相場を知る目的の数字であって、これで見積もれる数字ではありません。 ## 決めきれないときは 今日中に決めなくて大丈夫です。 ご遺体を適切に安置してあれば、すぐに火葬しなければならないわけではありません。安置の方法は亡くなった直後にすることにまとめています。 一晩おいて、家族と話してからでも間に合います。深夜や早朝は、落ち着いて考えるのが難しい時間帯かもしれません。先に挙げた国民生活センターの公表資料(人の葬儀についてのものです)も、打ち合わせは親族や第三者など複数で行うことを勧めています。ひとりで決めなくて構いません。 料金やサービスの内容で困ったときは、消費者ホットライン「188」で、お住まいの地域の消費生活センターにつながります。 --- この記事について: 施設数・料金・プラン名の集計は、当サイトが首都圏(東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県)のペット火葬・葬儀業者104施設の公式サイトを調査し、公式サイトの実在・運営者情報・固定の連絡先を確認できた92施設を対象に集計したものです(2026年8月7日時点)。料金の中央値は、各形式の金額を公開している施設のみを母数としています(合同45・一任58・立会59)。副葬品の内訳は、公式サイトの記載に各語(花/プラスチック/金属・金物・金具/おもちゃ)が含まれる施設を数えたものです。個別の施設名を挙げているのは、施設によって方針や表記が分かれることを示すためであり、特定の施設を推奨または非難するものではありません。料金・プラン・条件は改定されることがあるため、最終的な確認は各施設へお願いします。記載内容に事実と異なる点がある場合は、編集方針と出典の扱いの窓口からご連絡ください。

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