犬猫小町INUNEKO KOMACHI
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骨壺・分骨・手元供養

遺骨を手元に残すときに、先に知っておきたいこと

# 骨壺・分骨・手元供養 **遺骨をいつまでに納めなければならない、という法律はありません。** 犬や猫の遺骨は墓地埋葬法の対象外で、期限も置き場所の制限もありません。ただし、火葬のあとに選ぶことのうち、いくつかは後から戻せません。戻せるものと戻せないものを、先に分けておきます。 ## 期限がないことを、先に 人の遺骨には「埋葬又は焼骨の埋蔵は、墓地以外の区域に、これを行つてはならない」という制限があります(墓地、埋葬等に関する法律 第4条第1項)。ただしこの法律は、犬や猫には適用されません。政府は2004年の答弁書で、**「動物については、墓地、埋葬等に関する法律(昭和二十三年法律第四十八号)は、適用されない」**と述べています(平成16年10月29日 内閣衆質161第26号)。 廃棄物としての扱いについても、同じ整理がされています。1977年、厚生省環境衛生局水道環境部の計画課長が兵庫県あてに出した通知で、動物霊園事業において取り扱われる動物の死体は廃棄物処理法の「廃棄物」に該当しないとされました(昭和52年8月3日 環計第78号)。先ほどの答弁書も、動物霊園事業で取り扱われる動物の死体は「宗教的及び社会的慣習等により埋葬及び供養等が行われるものであるため」廃棄物には当たらない、と同じ判断を示しています。 つまり、**遺骨を自宅に置き続けることにも、納骨の時期にも、法律上の期限はありません。** ある霊園は、よくある質問でこう答えています。 > Q. 遺骨をしばらく自宅に置いてから納骨する事はできますか?

A. いつでもお預かりできます。お気持ちの整理がつきましたらご遺骨をお持ちください。 — 東京動物霊園「よくある質問」(2026年8月7日確認) ここで言えるのは、置いておくことに国の法規制がない、というところまでです。自分の土地でない場所に埋めることや、賃貸住宅の契約でできることの範囲は、また別の問題として残ります。 なお、調査した施設のなかには、納骨を「四十九日や一周忌を目安に検討する方が多い」と案内しているところがありました。そういう目安があるというだけで、その日までに決めなければならない理由はありません。 ## 骨壺の「寸」は、どのくらいの大きさですか 火葬のあと、遺骨は骨壺に納められます。施設の料金表には「3寸」「4寸」といった表記が出てきます。 寸は尺貫法の長さの単位で、1寸は3.0303センチメートルです(農林水産省 計量単位換算表)。おおよその換算は次のとおりです。 | 表記 | おおよその長さ | |------|--------------| | 2寸 | 約6.1cm | | 2.5寸 | 約7.6cm | | 3寸 | 約9.1cm | | 4寸 | 約12.1cm | | 5寸 | 約15.2cm | | 6寸 | 約18.2cm | | 7寸 | 約21.2cm | ただし、この数字が骨壺の直径なのか高さなのかは、公式サイトからは読み取れませんでした。 調査した92施設のうち、骨壺の大きさを「寸」で示していたのは10施設でしたが、そのうち実寸(センチメートル)を併記していた施設はありませんでした。置き場所を先に決めておきたいなら、寸ではなく「高さ何センチ、直径何センチか」を実寸で聞いておくと確かめやすくなります。 サイズ感の手がかりとして、ある霊園は納骨堂で預かる骨壺を「3寸(猫・小型犬が収まる程度)迄」と説明しています(東京動物霊園)。この霊園の表記にならえば、3寸が猫や小型犬の遺骨がひととおり収まる大きさにあたります。 なお、骨壺が火葬料金に含まれるかどうかは施設で分かれます。調査した92施設のうち、公式サイトから判別できたのは45施設で、内訳は「料金に含む」31施設、「プランによる」8施設、「別売」6施設でした。このほかに、記載はあるものの判別しきれなかった施設が5ありました。 ## 骨壺の大きさが、あとの納骨先に関わることがあります 骨壺の大きさは、火葬のあとになって効いてくることがあります。 ある霊園の納骨堂には、預かる骨壺の大きさに上限があります。 > お預かりできる遺骨壷の大きさは、3寸(猫・小型犬が収まる程度)迄となっております。 (4寸以上の遺骨壷に関しては、納骨時に3寸遺骨壷に分骨させて頂きます。その際、遺骨壷・覆代として3,300円(税込)を申し受けます。) — 東京動物霊園「納骨」ページ(2026年8月7日確認) つまり、火葬のときに大きめの骨壺を選ぶと、あとでこの納骨堂に納めるときに、その場で分骨することになります。 全部を一緒に納めるつもりだった方にとっては、想定していなかった分かれ方です。 これは、この施設が不親切だという話ではありません。納骨堂という設備が、収蔵する棚の大きさで決まっている以上、どの施設にも同じ構造があります。実際、調査した施設のなかには、納骨堂の霊座を「大型」「一般」に分けて、サイズ別に年間使用料を設定しているところもありました。 もし将来どこかに納める可能性があるなら、火葬を申し込む段階で次の2つを聞いておくと、あとの選択肢が減りにくくなります。 - その施設に納骨堂があるか。あるなら、預かってもらえる骨壺の上限サイズはいくつか

  • 他の施設で火葬した遺骨を受け入れてもらえるか(受け入れる場合、料金が上がる施設があります) ずっと手元に置くと決めているなら、この確認は要りません。決めていないなら、決めないまま、上限だけ聞いておく。それだけで、将来の選択肢が残ります。 ## 分骨は、いつ決めるのが楽ですか 分骨は、遺骨を複数に分けて、それぞれ別の場所で供養することです。家族が離れて暮らしている場合や、一部を手元に残して残りを納骨したい場合に選ばれます。 調査した92施設のうち、分骨について公式サイトに記載していたのは31施設でした。対応の仕方は施設によって違い、無料で分けてくれるところもあります。 > また、ご希望があれば分骨することもできます(無料)お好きなお入れものをご用意ください(霊園1階でも販売しております)。

— ヤマトペット霊園「お立会火葬」ページ(2026年8月7日確認) 一方、前の項で見たように、納骨の段階で分けることになると、新しい骨壺の代金が別途かかる施設もあります。手間も費用も、お骨上げのその場で分けるのが一番かかりません。分けるかもしれないと思っているなら、火葬の予約をするときに「分骨できますか」とだけ聞いておくと、当日その場で判断できます。 人の遺骨を分骨するときは、墓地や納骨堂の管理者が発行する「その焼骨の埋蔵又は収蔵の事実を証する書類」が必要です(墓地、埋葬等に関する法律施行規則 第5条。火葬場の管理者にも準用されます)。犬や猫にはこの制度がありません。 手続きは要らないぶん、記録も残りません。どの部分を誰が持っているのかは、家族のあいだで言葉にしておくと、あとで探さずに済みます。 ## 粉骨は、戻せません 粉骨は、遺骨を専用の機械でパウダー状に加工することです。骨壺を小さくしたい、散骨したい、といったときに選ばれます。 加工したあと、骨の形は戻りません。 お骨上げのときの形は残らない、ということです。急いで決める必要のある話ではないので、まずそこだけ確かめてください。 そのうえで、事実を並べます。 どのくらい小さくなるか。 ある霊園は「遺骨を粉骨すると、容積は加工前より3割程度減少します」と書いています(東京動物霊園)。別の霊園は、粉骨後の状態を「手のひらサイズの小さなお骨壺にお納めできます」と説明しています(平和会ペットメモリアルパーク)。減り方の表現は施設によって幅があります。 料金。 調査した92施設のうち、粉骨(粉末化加工・パウダー加工を含む)について記載があったのは29施設、そのうち料金を金額で書いていたのは18施設でした。自社で火葬した遺骨の通常価格(火葬当日の割引前、骨壺サイズ別なら最小サイズ、幅表示なら下限)を1施設1件で採ると、税込3,ペット火葬円から11,ペット火葬円に分布し、中央値は5,500円です。1施設だけ「10,ペット火葬円〜20,ペット火葬円(税込)当社規定による」という幅表示で、この施設は上限が20,ペット火葬円です。他の施設で火葬した遺骨を持ち込む場合は割高になることがあり、13,200円という例が2施設ありました。 火葬当日は安くなることがあります。 ある斎場では、粉骨は骨壺のサイズによって6,600円(2寸〜5寸)または8,800円(6〜7寸/いずれも税込)ですが、火葬当日に依頼する場合は3,300円または4,400円です(せたがやペット斎場)。当日のみ無料としている施設もありました。 ここで、判断が難しくなります。当日が一番安いのですが、当日は、落ち着いて考えるのが難しい日でもあります。 割引を逃しても、あとから頼めます。数千円の差で、取り消せない選択を急がなくて大丈夫です。 なお、粉骨を選ぶ理由は「小さくしたい」だけではないようです。ある霊園は、依頼の背景として「近年は災害時に一緒に避難できるようにコンパクトにしたい、というお声も増えています」と紹介しています(平和会ペットメモリアルパーク)。 ## ペンダントやカプセルに入れる 遺骨のごく一部を、小さな容器に納めて身につけたり持ち歩いたりする方法があります。手元供養品と呼ばれます。 調査した92施設のうち、分骨用のカプセル・ペンダント・キーホルダーなどを扱っている、または案内していると読み取れたのは24施設でした。価格帯は、施設が無料で進呈するものから数千円台までで、実例としては遺骨カプセルが1,100円から、1,650円から、2,200円から、お守カプセルが1,980円から、といった記載がありました。 当サイトでは、特定の商品をおすすめすることはしません。ただ、選ぶ前に確かめておくと後で困らない点が3つあります。 中の遺骨を出し入れできるか。 接着して封じる方式のものがあります。入れたあとに気が変わっても戻せません。 外れたり落としたりしたときにどうなるか。 身につけるものは、外れることがあります。全部を入れてしまわず、手元に残す分を確保しておくという選び方もあります。 誰が持つか。 複数作って家族で分けられると案内している施設もあります。誰が何を持っているかは、作るときに決めておくと、あとで困りません。 ## 遺骨のほかに、残せるもの これは火葬の前にしかできないことなので、先に書きます。 毛と、肉球の記録は、火葬の前にしか残せません。 ある霊堂は遺毛入れケースを550円から2,200円で扱っており、ある霊園は立会火葬のプランに「僧侶による読経または肉球スタンプ」を含めています。施設が扱っていなくても、自分で少しだけ毛を切って封筒に入れておくことはできます。 遺骨をどうするかは急がなくていい話ですが、ここは火葬の前にしか選べません。火葬のあとで思い出す方が多い部分なので、先に書きました。 ## 戻せる選択と、戻せない選択 整理します。 | 選ぶこと | あとから変えられるか | |---------|------------------| | 手元に置く → 納骨する | 変えられます(納骨先の受入条件による) | | 個別に納骨する → 合祀に移す | 変えられます | | 合祀した → 取り出す | 戻せません | | 粉骨する | 戻せません | | 分骨する | 一緒に戻すことはできます(渡した先から返してもらうかは別の話) | 合祀(ごうし)は、骨壺から遺骨を取り出して、他の子の遺骨と一緒に埋葬する方法です。ある霊園はこう説明しています。 > Q. 合同納骨堂へ入れたお骨は連れて帰れませんか? A. 一度合同納骨堂へ入れた場合は、他の子のお骨が入っているため連れて帰ることはできかねます。 — 浦和ペット霊園「よくある質問」(2026年8月7日確認) 同じ霊園は、個別納骨堂から合同納骨堂へ移すことについては「可能です。個別納骨堂の更新のタイミングや、飼い主様のタイミングで合同納骨堂へ入れることができます」とも答えています。個別から合祀への一方通行、と覚えておくと迷いません。 もうひとつ、契約するときに聞いておくとよいことがあります。期限つきの納骨堂は、期間が終わったあとどうなるか。 調査した施設のなかには、使用年数(1〜6年)の経過後に合祀(永代供養)へ移る仕組みのところ、毎年更新するところ、1年限定で更新できないところがありました。期間の終わりに何が起きるかは施設ごとに違うので、契約書の記載を確かめておくと安心です。 ## 最後に 手元に残す形はひとつではありません。骨壺のまま棚に置く方、粉骨して小さくする方、ペンダントに少しだけ入れて残りを納める方、庭を眺める場所に置く方。どれが正しいということはありません。 そして、決められない時期があってよいのだと思います。法律に期限はなく、施設も「お気持ちの整理がつきましたら」と言っています。いま決められるのは、戻せない選択だけを急がない、ということだけで十分です。 置き場所が決まらないまま、しばらく箱に入れたままになっていても、それは何かを怠っていることにはなりません。 --- この記事について: 施設の数値は、当サイトが首都圏のペット火葬・葬儀業者104施設を調査し、公式サイトで裏取りできた92施設(status=active)を母数として集計したものです(2026年8月7日時点)。集計には骨壺・遺骨の扱いに関する列(urn_included・ashes_form_note ほか)を使い、「記載はなし」と記録した施設は件数に含めていません。粉骨の件数には「粉末化加工」「パウダー加工」の表記も含めています。記事中で名前を挙げた施設は、方針や料金の扱いが施設で分かれることの実例として、公式サイトの記載を直接確認したうえで引用しています。おすすめや順位づけの意図はありません。法令・単位の記述は、e-Gov法令検索・衆議院の答弁書・厚生省通知(環境省サイト掲載)・農林水産省の換算表にもとづいています。料金・条件は改定されることがあるため、最終的な確認は各施設へお願いします。→ 編集方針と出典の扱い 関連: 犬・猫が亡くなったら(今日することと、急がなくていいこと)葬儀・供養のハブ

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