動物性油脂animal fat
動物からとった脂の総称。どの動物のものかは書かれていません。
分類: 脂質・油 最終更新: 2026-08-13
犬・猫での見方
犬
条件つき・注意
猫
条件つき・注意
期待される役割
エネルギー源として、また食いつきをよくするために配合されます。
注意したい点
由来動物がわからないため、アレルギーの原因を探しているときに切り分けができません。
詳しい解説
「動物性油脂」は、動物からとった脂をまとめて指す言い方です。どの動物の脂なのかは書かれていません。
脂そのものは悪いものではありません。3大栄養素のなかで最もエネルギーが濃く、 ビタミンA・D・E・Kの吸収と運搬を助け、体内で作れない必須脂肪酸の供給源にもなります。 犬も猫もリノール酸を食事から摂る必要があります。
問題になるのは書かれ方のほうです。原材料は添加物も含めて全て、重量の多い順に表示すると 決められていますが、「動物性油脂」という書き方はその決まりを満たしたうえで由来を示していません。 鶏の脂も豚の脂も牛の脂も、この4文字にまとまります。
どういうときに困るか
いちばん困るのは、食物アレルギーの原因を探しているときです。 犬の食物アレルゲンとして報告が多いのは牛肉・乳製品・鶏肉で、 由来動物が書かれていないと「このフードを避ければいいのか」の判断ができません。
除去食試験(一定期間ひとつのたんぱく源だけにして反応を見る方法)を獣医師と進めている場合、 由来不明の油脂が入っていると試験そのものが成り立たなくなることがあります。
見分け方
由来が書かれているものは、そのように書かれます。
| 書き方 | 由来 |
|---|---|
| 動物性油脂 | 不明 |
| 鶏脂/チキンオイル | 鶏 |
| 豚脂(ラード) | 豚 |
| 牛脂(ヘット) | 牛 |
| 魚油/フィッシュオイル | 魚 |
アレルギーを気にしていない場合、「動物性油脂」だから避けるべきということにはなりません。 気にするかどうかは、その子に食物アレルギーの疑いがあるかどうかで変わります。
判断に迷うときは、袋を持って獣医師に相談してください。
根拠(3件)
業界標準
脂質は3大栄養素で最もエネルギー密度が高く、脂溶性ビタミン(A・D・E・K)の吸収・貯蔵・輸送を助け、必須脂肪酸の供給源になる。犬猫はいずれもリノール酸を食事から摂る必要がある
MSD Veterinary Manual「Nutritional Requirements and Related Diseases of Small Animals」(Fats の節)
公的基準・規制
原材料は添加物も含め全て、重量の多い順に表示することが定められている。したがって『動物性油脂』という表記は、規約上は適法だが由来動物を示さない
ペットフード公正取引協議会 公正競争規約「必要表示事項」(原材料名の表示)
査読論文
犬の食物アレルゲンとして牛肉・乳製品・鶏肉が上位を占める。由来動物が特定できない表記では、原因の切り分けができない
Mueller RS, Olivry T, Prélaud P, 2016, 系統的レビュー, BMC Vet Res 12:9 PubMed (PMID 26753610)
この内容は一般的な情報であり、診断や個別の助言ではありません。 いま与えているフードや体調について判断が必要なときは、かかりつけの獣医師にご相談ください。