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猫伝染性腹膜炎(FIP)

Feline Infectious Peritonitis (FIP) 対象: 猫 分類: 感染症 最終更新: 2026-07-11

食事との関係

食事管理が中心の疾患ではない。低下した食欲・栄養の維持は獣医師の指示による

家で気づけるサイン

  • 数日〜数週続く原因不明の発熱(解熱剤・抗菌薬で下がりにくい)
  • 食欲低下・体重減少・元気がない
  • お腹が張って膨らむ(腹水/ウェット型)
  • 呼吸が速い・苦しそう(胸水/ウェット型)
  • 黄疸(歯ぐき・白目・耳が黄色い)
  • 目の色や見え方の異常、ふらつき・けいれん・行動の変化(神経/眼型・ドライ型)

受診の目安

当日〜早めに受診 — 続く発熱・体重減少・お腹の張り・元気消失は早めに。呼吸困難や神経症状(けいれん等)は救急

年齢の傾向

生後6か月〜2歳の若齢に最も多い(特に1歳未満で高い)。全年齢で起こりうる

なりやすいとされる犬種・猫種

詳しい解説

猫伝染性腹膜炎(Feline Infectious Peritonitis, FIP)

FIPは、猫コロナウイルス(FCoV)が体内で変異し、免疫の反応が加わって全身に炎症(膿性肉芽腫)が起こる、重い病気です。猫コロナウイルス自体は多くの猫がもっており大半は無症状ですが、その一部で変異と個体側の免疫応答が重なった猫がFIPを発症すると考えられています。生後6か月〜2歳の若齢純血種(血統猫)多頭飼育・保護施設など頭数の多い環境でリスクが高いことが知られています。

症状の出方には、体の空所に液がたまる**滲出型(ウェット型)と、臓器・目・神経などに炎症がおよぶ非滲出型(ドライ型)**があり、両者が混ざることもあります。

好発品種(根拠の別を明記)

  • ラグドール — ABCDガイドラインが素因のある品種として記載(品種関連・疫学的)。
  • アビシニアンベンガル・ビルマン・ヒマラヤン・レックス系 — 同ガイドラインが素因の報告される品種として記載(疫学的関連)。
  • 純血種(血統猫)全般 — 雑種の短毛種より発生が多いと報告されています。ただし遺伝子検査で確定するタイプの好発ではなく、あくまで疫学的な関連です。
  • なお FIP は好発品種以外の一般の猫にも起こりえます。

飼い主が気づける徴候

  • 数日〜数週間続く原因不明の発熱(ふつうの解熱剤・抗菌薬で下がりにくい)
  • 食欲が落ちる、体重が減る、元気がない、成長が止まる(子猫)
  • お腹がふくらんで張る(腹水・ウェット型)
  • 呼吸が速い・苦しそう(胸水・ウェット型)
  • 歯ぐき・白目・耳の内側が黄色い(黄疸)
  • 目の色や見え方の異常、ふらつき・けいれん・性格や行動の変化(眼・神経型/ドライ型)

受診目安・予防

  • 続く発熱・体重減少・お腹の張り・元気消失は、若齢猫では早めに受診を。
  • 呼吸困難やけいれんなどの神経症状は救急。夜間でも救急対応のできる病院へ。
  • 明確な予防検診は確立されていませんが、多頭・保護環境では過密を避け、トイレを清潔に保つことが感染拡大の抑制に役立つとされます。新しく迎える猫の衛生管理も重要です。
  • 本ページは受診判断の支援を目的とし、診断の確定・治療の選択は担当獣医師の診察に基づきます。

費用の目安

猫伝染性腹膜炎(FIP)にかかるお金は、症状の重さ・通う回数・住んでいる地域・その病院の料金設定で変わります。 ここに出すのは見積もりではなく、公表されている調査から拾った幅です。 自分の家の場合にいくらになるかは、かかりつけの病院で聞くのが確実です。

実際に支払われた金額から

対象何の金額か金額値の種類もとの表
全診療・ラグドール1年間にかかった総額316,687円平均p.55 図表2-2-107
全診療・ラグドール1年間にかかった総額112,613円まんなかの値p.55 図表2-2-107
全診療・ノルウェージャン・フォレスト・キャット1年間にかかった総額187,919円平均p.54 図表2-2-104
全診療・ノルウェージャン・フォレスト・キャット1年間にかかった総額76,246円まんなかの値p.54 図表2-2-104

出典: アニコム家庭どうぶつ白書2025

いつのデータか: もとの資料に、いつからいつまでを数えたかの記載がありません

読むときの注意: 保険に入っている家庭の記録です。窓口でその場で精算できるぶん受診しやすく、入っていない家庭より金額が高めに出ることがあります。契約できる年齢に上限があるため、高齢になってから迎えた子は含まれにくくなっています

この数字の読み方

金額はどれも過去の調査をまとめたもので、いまの料金や、目の前の子にかかる額とは違います。 税込みか税別かも調査によって扱いが違います。

病院ごとに料金は自由に決められるため、同じ処置でも差が出ます。 気になるときは、受診の前に電話で聞いても構いません。金額を先に確認するのは失礼なことではありません。

獣医師に相談するための質問リスト

そのまま診察に持って行けるように整理しました。答えは診察でしか決まりません。

  1. いま与えているフードは、猫伝染性腹膜炎(FIP)と診断された今の状態に合っていますか?
  2. 食事の内容や与え方について、いま変えたほうがよい点はありますか?(種類・量・回数・水分の取り方)
  3. おやつやトッピングは続けてよいですか?避けたほうがよいものはありますか?
  4. 家で見ておくべきサインはどれですか?(気づいた変化: 数日〜数週続く原因不明の発熱(解熱剤・抗菌薬で下がりにくい)/食欲低下・体重減少・元気がない など)
  5. 次の受診や再検査はいつ頃がよいですか?その間に悪化を示すサインはどれですか?
  6. 今後の健診や定期検査で、確認しておくとよい項目はありますか?
  7. 食事以外に、家でできる工夫(環境・運動・体重)はありますか?

出典(2件)

  • 業界標準確認日 2026-07-11

    Feline Infectious Peritonitis

    猫コロナウイルス由来。多くの感染猫のうち一部のみが発症し、ウイルスの変異と個体の不適切な免疫応答が関与。生後6か月〜2歳に最も多く、純血種でリスク上昇と記載

    出典サイト

  • 査読論文確認日 2026-07-11

    Tasker S, Addie DD, Egberink H ほか(ABCD: …

    2歳未満(特に1歳未満)で発生率が高く、血統猫が雑種短毛種より高リスク。アビシニアン・ベンガル・ビルマン・ヒマラヤン・ラグドール・レックス系で素因の報告。多頭・保護施設環境で多い。滲出型(ウェット)と非滲出型(ドライ)の病型を記載

    PubMed (PMID 37766254)DOI 10.3390/v15091847

このページは受診の判断を支える一般情報であり、診断や個別の助言ではありません。 症状や食事の方針は、かかりつけの獣医師の診察に基づいて決めてください。