犬猫小町(準備中)

副腎皮質機能低下症(アジソン病)

Hypoadrenocorticism (Addison's Disease) 対象: 犬 分類: 内分泌 最終更新: 2026-07-14

食事との関係

食事が原因の病気ではなく、食事療法で予防・治療するものでもない。療法食の対象疾患ではない

家で気づけるサイン

  • 元気消失、食欲不振、体重減少(症状が出たり治まったりを繰り返す)
  • 嘔吐、下痢
  • 水をよく飲む・尿が増える
  • 震え・筋力の低下・ふらつき
  • ストレス(環境変化・通院・入院など)をきっかけに突然の強い脱力・虚脱(アジソンクリーゼ=救急)
  • ※症状が非特異的で「なんとなく不調」を繰り返し、見逃されやすい

受診の目安

突然の強い脱力・虚脱・繰り返す嘔吐・ぐったり(アジソンクリーゼの疑い)は救急。曖昧な不調(食欲低下・元気消失・嘔吐下痢)を繰り返す場合も、内分泌疾患を念頭に早めの受診を

年齢の傾向

若〜中年齢の成犬(多くは2〜6歳)に多いが幅広い年齢で起こる。メスにやや多いとされる。NSDTRは若年発症もある

なりやすいとされる犬種・猫種

詳しい解説

副腎皮質機能低下症(アジソン病, Hypoadrenocorticism)

副腎皮質機能低下症は、腎臓の近くにある副腎から出るホルモン(体の水分・塩分バランスを保つミネラルコルチコイドと、ストレスに対応するグルココルチコイド)が不足してしまう病気です。多くは免疫の異常で副腎そのものが壊れることが原因と疑われています。犬に多く、猫ではまれです。症状が非特異的で「なんとなく不調」を繰り返すことが多く、"the great pretender(名優)"とも呼ばれるほど見逃されやすい病気です。

若〜中年齢の成犬(多くは2〜6歳)に多く、メスにやや多いとされます。スタンダード・プードルポーチュギーズ・ウォーター・ドッグなど遺伝的素因が確認された犬種があり、ノヴァ・スコシア・ダック・トーリング・レトリーバーでは若年性/非典型型が知られています。もっとも注意すべきは、ストレスをきっかけに突然ぐったり倒れる「アジソンクリーゼ」で、これは命に関わる救急事態です。

好発品種(根拠の別を明記)

飼い主が気づける徴候

  • 元気がない、食欲がない、体重が減る(症状が出たり治まったりを繰り返すのが特徴)
  • 嘔吐、下痢
  • 水をよく飲む・尿が増える
  • 震え、筋力の低下、ふらつき
  • ストレス(引っ越し・来客・通院・入院など)の後に突然ぐったり倒れる・虚脱する(アジソンクリーゼ)
  • ※一つひとつは他の病気でもみられる曖昧な症状で、見逃されやすい

受診目安・予防

  • 突然の強い脱力・虚脱・繰り返す嘔吐・ぐったり(アジソンクリーゼの疑い)は救急。 夜間でも救急対応のできる病院へ。
  • 曖昧な不調(食欲低下・元気消失・嘔吐下痢)を繰り返す場合は、内分泌疾患を念頭に早めの受診を。
  • 好発犬種で原因不明の症状を繰り返すときは、血液検査(電解質=ナトリウム/カリウム比など)とACTH刺激試験での評価が早期把握につながります。
  • 食事が原因の病気ではなく、療法食で予防・管理する疾患ではありません。
  • 本ページは受診判断の支援を目的とし、診断・管理の方針は担当獣医師の診察に基づきます。

費用の目安

副腎皮質機能低下症(アジソン病)にかかるお金は、症状の重さ・通う回数・住んでいる地域・その病院の料金設定で変わります。 ここに出すのは見積もりではなく、公表されている調査から拾った幅です。 自分の家の場合にいくらになるかは、かかりつけの病院で聞くのが確実です。

動物病院の料金表から(項目ごと)

項目金額この検査・処置を行っていない病院もとの表
ACTH刺激試験犬猫共通11,250円10.9%p.71(PDF p.76)

「この検査・処置を行っていない病院」の欄は、そう答えた病院の割合です。数字が大きい項目は、 かかりつけでは対応しておらず、紹介先の病院に移ることがあります。

出典: 日本獣医師会 家庭飼育動物(犬・猫)の診療料金実態調査 調査結果(令和5年9月)

いつのデータか: 2021年8月から10月にかけて動物病院に行ったアンケートで、そのときの料金設定です

読むときの注意: 回答した病院の自己申告です。獣医師の団体が料金の基準を決めることは法律で禁じられているため、全国共通の定価はありません。回答した病院の96.3%はふだんの診察を担う病院なので、紹介先の専門病院の料金とはずれることがあります

この数字の読み方

金額はどれも過去の調査をまとめたもので、いまの料金や、目の前の子にかかる額とは違います。 税込みか税別かも調査によって扱いが違います。

病院ごとに料金は自由に決められるため、同じ処置でも差が出ます。 気になるときは、受診の前に電話で聞いても構いません。金額を先に確認するのは失礼なことではありません。

獣医師に相談するための質問リスト

そのまま診察に持って行けるように整理しました。答えは診察でしか決まりません。

  1. いま与えているフードは、副腎皮質機能低下症(アジソン病)と診断された今の状態に合っていますか?
  2. 食事の内容や与え方について、いま変えたほうがよい点はありますか?(種類・量・回数・水分の取り方)
  3. おやつやトッピングは続けてよいですか?避けたほうがよいものはありますか?
  4. 家で見ておくべきサインはどれですか?(気づいた変化: 元気消失、食欲不振、体重減少(症状が出たり治まったりを繰り返す)/嘔吐、下痢 など)
  5. 次の受診や再検査はいつ頃がよいですか?その間に悪化を示すサインはどれですか?
  6. 今後の健診や定期検査で、確認しておくとよい項目はありますか?
  7. 食事以外に、家でできる工夫(環境・運動・体重)はありますか?

出典(3件)

  • 業界標準確認日 2026-07-14

    Addison Disease (Hypoadrenocorticism) in Animals

    犬に多く猫ではまれ。若〜中年齢の成犬に多くメスにやや多い。過剰表現の犬種としてノヴァスコシアダックトーリングレトリーバー・グレートデーン・スタンダードプードル・ウエストハイランドホワイトテリア・ビアデッドコリー・ポーチュギーズウォータードッグを記載。多くは免疫介在性と疑われる原発性の副腎皮質不全

    出典サイト

  • 査読論文確認日 2026-07-14

    Famula TR ほか, 2003, 遺伝率・複雑分離解析, Journal …

    スタンダードプードル778頭でアジソン病の遺伝率0.75、雌雄同等に発症。約8.6%が発症

    PubMed (PMID 12570345)

  • 査読論文確認日 2026-07-14

    Oberbauer AM ほか, 2006, 遺伝評価(複雑分離解析), BMC…

    ポーチュギーズウォータードッグでアジソン病は遺伝性(遺伝率0.49)、単一の常染色体劣性座位による支配が示唆される

    PubMed (PMID 16670022)DOI 10.1186/1746-6148-2-15

このページは受診の判断を支える一般情報であり、診断や個別の助言ではありません。 症状や食事の方針は、かかりつけの獣医師の診察に基づいて決めてください。