色素性角膜炎
Pigmentary Keratitis 対象: 犬 分類: 眼 最終更新: 2026-07-11
食事との関係
特になし(食事が直接の原因・治療対象となる疾患ではない)
家で気づけるサイン
- 黒目(角膜)に茶色〜黒色の色素(膜)が広がってくる
- 進行すると黒目が濁って見え、視界の妨げになる
- 内側(目頭側)の下まぶたが内巻き(内反)で毛が当たっている
- 目やに・軽いしょぼつきを伴うことがある
受診の目安
早めに受診+定期観察(急性の痛みは少ないが進行性。色素が瞳の中心(視軸)に及ぶと視力低下・失明に至りうる)
年齢の傾向
中〜高齢で進みやすい(加齢とともに重症度が上がる傾向)。若齢から素因あり
なりやすいとされる犬種・猫種
詳しい解説
色素性角膜炎(Pigmentary Keratitis)
角膜(黒目の表面の透明な膜)に、茶色〜黒色の色素(メラニン)が沈着して広がる状態。慢性的な角膜への刺激・炎症に対する反応として起こり、パグをはじめとする短頭種にきわめて多い。急性の強い痛みは目立たないことが多い一方で進行性で、色素が瞳の中心(視軸)まで広がると視界を妨げ、重症例では失明に至りうる点が飼い主に伝えるべき要点。背景には、内側の下まぶたの内巻き(内反)による毛の当たり、涙量の低下、突出した眼球などがあるとされる。
好発品種(根拠の別)
英国のパグ 210 頭を調べた Maini ら(2019, PMID 31666065)は、色素性角膜炎を 91.9%(少なくとも片眼)で検出し、加齢と内側下眼瞼内反(MELE)の程度に有意に関連すると報告した(疫学的関連・きわめて高頻度)。パグが代表的な好発品種で、シー・ズー、ペキニーズ、フレンチ・ブルドッグなど眼が突出し眼瞼内反を起こしやすい短頭種でも角膜の色素沈着が見られる(短頭種関連)。単一遺伝子検査で判定する疾患ではなく、顔・眼瞼の形態(コンフォメーション)が強く関与する。
飼い主が気づける徴候
- 黒目に茶色〜黒色の色素(膜のようなもの)が、目頭側などから広がってくる
- 進行すると黒目が濁って見え、視界の妨げになる
- 目頭側の下まぶたが内巻きになっていて毛が当たっている
- 目やにや軽いしょぼつきを伴うことがある
受診目安・予防
強い痛みが出にくいぶん見過ごされやすいが、進行性のため気づいたら早めに受診し、その後は定期観察で色素の広がりを追う。色素が瞳の中心(視軸)に及ぶ・急に濁りが増える場合は視力への影響が大きく、早めの相談が望ましい。好発するパグなどでは、同じ角度の写真で経過を記録すると進行の把握に役立つ。背景にある眼瞼内反・涙量・まつげの当たりの評価が対応の入口になる。具体的な治療は獣医師の診察に委ねる。
獣医師に相談するための質問リスト
そのまま診察に持って行けるように整理しました。答えは診察でしか決まりません。
- いま与えているフードは、色素性角膜炎と診断された今の状態に合っていますか?
- 食事の内容や与え方について、いま変えたほうがよい点はありますか?(種類・量・回数・水分の取り方)
- おやつやトッピングは続けてよいですか?避けたほうがよいものはありますか?
- 家で見ておくべきサインはどれですか?(気づいた変化: 黒目(角膜)に茶色〜黒色の色素(膜)が広がってくる/進行すると黒目が濁って見え、視界の妨げになる など)
- 次の受診や再検査はいつ頃がよいですか?その間に悪化を示すサインはどれですか?
- 今後の健診や定期検査で、確認しておくとよい項目はありますか?
- 食事以外に、家でできる工夫(環境・運動・体重)はありますか?
出典(2件)
Maini S, Everson R, Dawson C, Chang YM, …
Disorders of the Cornea in Dogs
このページは受診の判断を支える一般情報であり、診断や個別の助言ではありません。 症状や食事の方針は、かかりつけの獣医師の診察に基づいて決めてください。