食事の基本
NG食材・中毒
最終更新: 2026-07-12
NG食材・中毒性食品
犬猫に与えてはいけない食材の一覧。食べてしまったときの初動は 応急処置・中毒対応 を参照。中毒量は個体差・カカオ濃度・調理状態で大きく変わるため、下表は ASPCA / MSD(Merck) Veterinary Manual で裏取りした目安であり、「この量までは安全」を示すものではない。
誤食を疑ったら量が不明でも早期に受診する。 医療的な断定表現は獣医療広告・薬機法規制に留意する。
中毒食材テーブル(ASPCA / MSD 2026-07-12 一次確認)
| 食材 | 対象 | 中毒成分 | 中毒量の目安 | 主な症状(発現時間) | 重篤度・危険区分 |
|---|---|---|---|---|---|
| チョコレート・ココア | 犬・猫(事故は犬に多い) | メチルキサンチン類(テオブロミン+少量のカフェイン) | メチルキサンチン量で約20mg/kgから消化器症状、40–50mg/kgで心症状、≥60mg/kgでけいれん(カフェイン・テオブロミンのLD50は100–200mg/kg)。含有量はカカオ濃度で大差(ココアパウダー28.5mg/g>製菓用/ベイキング15.5mg/g>ダーク5.3–5.6mg/g>ミルク2.3mg/g)。ミルクチョコで約62g/kgが致死量目安 | 6–12時間以内に多飲・嘔吐・下痢・落ち着かない→過活動・振戦・不整脈・高体温・けいれん | 致死的。ダーク/製菓用/ココアは少量でも危険、ミルクは量次第 |
| ネギ類(玉ねぎ・にんにく・長ねぎ・ニラ・らっきょう。加熱・粉末でも無毒化しない) | 犬・猫(猫がより感受性が高い) | 有機硫黄化合物(酸化性物質)→赤血球のハインツ小体形成・溶血 | 猫は加熱玉ねぎ小さじ1未満/生玉ねぎ5g/kg、犬は生玉ねぎ15–30g/kgで症状の報告 | 溶血は摂取後24時間以内に始まり約72時間でピーク。元気消失・粘膜蒼白・赤褐色尿(血色素尿)・頻呼吸・貧血 | 重度〜致死的。少量でも危険(特に猫) |
| ブドウ・レーズン | 犬(報告は犬。猫は不明) | 酒石酸(有機酸)と推定。犬は有機酸の排泄能が低く腎近位尿細管に蓄積 | 明確な安全閾値がなく個体差が大きい。体重4.5kg(10ポンド)あたり1粒以上で腎障害リスクの可能性 | 6–12時間で嘔吐・下痢→元気消失・食欲不振・腹痛・脱水・多飲、進行すると急性腎障害 | 致死的(急性腎障害)。摂取量と重症度が相関しないため少量でも危険 |
| キシリトール(ガム・タブレット・歯磨き・焼菓子・一部の甘味料) | 犬(犬に特異的。多くの他の哺乳類ではインスリンへの影響が小さい) | キシリトール自体。犬では急速・用量依存のインスリン放出を誘発 | 約100mg/kg超で低血糖、500mg/kg超で重度の肝障害・肝不全のおそれ。ガム1〜数粒でも危険量に達しうる | 低血糖は摂取30分〜12–18時間で発現(嘔吐・脱力・ふらつき・けいれん・昏睡)。肝障害は24–48時間後(黄疸・出血傾向) | 致死的(肝障害が起きた例では回復が難しいという報告)。極少量でも危険 → 低血糖 |
| アルコール(エタノール)・発酵前のパン生地 | 犬・猫(全種が感受性。事故は犬に多い) | エタノール。生のパン生地は胃内でイースト発酵しエタノール産生+膨張 | 明確な安全量は確立されていない(少量でも危険) | 30–60分で嘔吐・下痢・よだれ・運動失調・元気消失・振戦・呼吸困難。重度で低体温・昏睡・けいれん。パン生地は胃膨満・空嘔吐 | 重度〜致死的。少量でも危険 |
| カフェイン(コーヒー・茶葉・エナジードリンク・カフェイン錠・コーヒーかす) | 犬・猫 | メチルキサンチン類(カフェイン)=チョコと同じ機序 | LD50 100–200mg/kg(チョコと共通)。濃縮源(錠剤・エナジードリンク・コーヒーかす)は少量でも危険 | 落ち着かない・頻脈/不整脈・振戦・過活動・けいれん(チョコに準じる) | 重度〜致死的。濃縮源は少量でも危険 |
| マカダミアナッツ | 犬(犬でのみ発症報告) | 機序不明 | 明確な閾値は不明(比較的少量でも発症報告) | 12時間以内に脱力・後肢のふらつき・元気消失・嘔吐・振戦・発熱。通常12–48時間で回復 | 中等度(多くは一過性)。ただし高脂肪ナッツ全般は膵炎リスクを伴う |
誤食時の初動(共通)→ 応急処置・中毒対応
応急処置は受診までのつなぎであり、自宅で完結させない。詳細な状況別対応は 応急処置・中毒対応 が正。
- やってはいけないこと: 自己判断で吐かせない(催吐は誤嚥・悪化のリスク。腐食性・けいれん時は特に危険)。人用の薬・家庭療法を与えない。
- すぐにやること: 食べた物・推定量・時刻を記録し、動物病院またはペット中毒相談窓口に連絡。パッケージ・原材料表示を持参する。
- 量が不明でも受診する: ブドウ・キシリトール・ネギ類・ダークチョコは少量でも重篤化しうるため「たぶん少しだから様子見」をしない。
- 治療の内容・可否は獣医師の判断に従う(このサイトは治療法・薬剤・用量を記載しない)。
補足(表に載せていないが注意が必要なもの)
- 生のイカ・タコ・貝・一部の生魚: チアミナーゼ(ビタミンB1分解酵素)を含み、大量・継続摂取で猫を中心にビタミンB1(チアミン)欠乏を招きうる(加熱で失活)。急性中毒というより欠乏症のリスク。※本更新では ASPCA/MSD の該当ページを一次確認できていないため、区分は暫定。
- 塩分の過剰(塩・味付けの濃い人の食事・海水): 多飲多尿、重度で嘔吐・下痢・振戦・けいれん(ASPCA)。
- その他のナッツ全般: 高脂肪のため嘔吐・下痢、膵炎の誘因になりうる(→ 膵炎)。
- 牛乳・乳製品: 中毒ではないが、多くの犬猫は乳糖分解酵素が不足し下痢など消化器症状を起こしうる(ASPCA)。
- カカオ濃度で毒性が変わる: 同じ「チョコレート」でも製菓用・ダーク・ココアパウダーはミルクチョコの数倍〜十数倍のメチルキサンチンを含むため、摂取したチョコの種類を必ず確認する。
このページは受診や診断の代わりにはなりません。迷ったとき、いつもと違うと感じたときは、 かかりつけの獣医師に相談してください。