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キアリ様奇形・脊髄空洞症

Chiari-like Malformation / Syringomyelia 対象: 犬 分類: 神経 最終更新: 2026-07-11

食事との関係

特になし(食事が原因・治療対象となる疾患ではない)

家で気づけるサイン

  • 首・肩のあたりを気にしてかく。特にリードや首輪で歩いているとき、皮膚に触れずに空をかく「ファントムスクラッチ(幻肢掻痒)」
  • 理由なく突然キャンと鳴く・寝ている姿勢を変えるときに鳴く
  • 首・背中を痛がる、頭や耳・首まわりを触られるのを嫌がる
  • 活動性の低下、階段の上り下りやジャンプを嫌がる
  • 進行例では首の曲がり(斜頸)・背骨のゆがみ(側弯)、ふらつき

受診の目安

早めに受診(強い痛み・急な悪化・けいれん時は当日受診)

年齢の傾向

若齢〜若年成犬で徴候が出やすい(多くは1〜3歳ごろから。MRI診断時の平均は約4.8歳との報告)

なりやすいとされる犬種・猫種

この病気に触れている図鑑のページ

4件の犬種・猫種のページが、気をつけたい病気としてこの病気を挙げています。 かかりやすさは個体差が大きく、ここに名前があることが「必ずなる」という意味ではありません。

詳しい解説

キアリ様奇形・脊髄空洞症(Chiari-like Malformation / Syringomyelia)

頭蓋骨の後ろ側が相対的に狭く、脳や頸部の脊髄が押し込められる形態の異常(キアリ様奇形=CM)と、それにより脊髄の中に液体のたまり(空洞=脊髄空洞症=SM)ができる状態。空洞ができると首や体の痛み・過敏(神経因性疼痛)を起こしやすく、独特の「かき動作」で気づかれることが多い。MRIが診断の基準(ゴールドスタンダード)とされる。

「かゆがっているだけ」「わがまま」と見過ごされやすいが、皮膚に触れずに空をかく、リードで歩くと急にかく、といった仕草は空洞症のサインのことがある。

好発品種(根拠の別)

キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルは、CM/SMが遺伝性の発達異常として最もよく調べられている品種で、繁殖用にMRIによるグレーディング(英国BVA/KC等の制度)が行われる(遺伝性・スクリーニング制度あり)。グリフォン・ブリュッセルも遺伝性の好発品種として知られる。チワワアーフェンピンシャーなどの小型・短頭種でも報告があり(疫学的関連)、そのほかの小型短頭種でも起こりうる。裏付けの取れない品種名は挙げていない。

飼い主が気づける徴候

  • 首・肩のあたりを気にしてかく。特にリードや首輪で歩いているとき、皮膚に爪が届いていないのに空をかく「ファントムスクラッチ(幻肢掻痒)」
  • 理由もなく突然キャンと鳴く、寝ている姿勢を変えるときに鳴く
  • 首・背中を痛がる、頭・耳・首まわりを触られるのを嫌がる
  • 元気・活動性の低下、階段の上り下りやジャンプをためらう
  • 進行例では首の曲がり(斜頸)・背骨のゆがみ(側弯)、後ろ足のふらつき

受診目安・予防

かき動作や痛がる仕草、触られ嫌がりが続く場合は早めに受診する。痛みが強そう・急に悪化した・けいれんを伴うといった場合は当日受診が望ましい。診断はMRIが基準で、一般の身体検査だけでは分からないため専門的な検査を行う施設での評価に委ねる。好発品種では、飼い主が「いつ・どんなときにかくか/鳴くか」を動画やメモで記録しておくと、獣医師の評価に役立つ。具体的な治療内容は獣医師の診察に委ねる(本項では扱わない)。

費用の目安

キアリ様奇形・脊髄空洞症にかかるお金は、症状の重さ・通う回数・住んでいる地域・その病院の料金設定で変わります。 ここに出すのは見積もりではなく、公表されている調査から拾った幅です。 自分の家の場合にいくらになるかは、かかりつけの病院で聞くのが確実です。

動物病院の料金表から(項目ごと)

項目金額この検査・処置を行っていない病院もとの表
MRI検査犬猫共通回答16件と少なく、相場とは言えません45,000円92.6%p.75(PDF p.80)
MRI撮影料A(1臓器)犬猫共通31,350円別表2(小動物診療料金表)
MRI撮影料B(2臓器以上)犬猫共通38,100円別表2(小動物診療料金表)

「この検査・処置を行っていない病院」の欄は、そう答えた病院の割合です。数字が大きい項目は、 かかりつけでは対応しておらず、紹介先の病院に移ることがあります。

出典: 日本獣医師会 家庭飼育動物(犬・猫)の診療料金実態調査 調査結果(令和5年9月)

いつのデータか: 2021年8月から10月にかけて動物病院に行ったアンケートで、そのときの料金設定です

読むときの注意: 回答した病院の自己申告です。獣医師の団体が料金の基準を決めることは法律で禁じられているため、全国共通の定価はありません。回答した病院の96.3%はふだんの診察を担う病院なので、紹介先の専門病院の料金とはずれることがあります

出典: 鳥取大学農学部附属動物医療センター諸料金規則 別表2(小動物診療料金表)

いつのデータか: 2026年4月1日から適用されている、規則に定められた料金です

読むときの注意: 1つの大学病院が公表している料金で、全国の相場ではありません。大学病院は紹介を受けて専門的な診療を行う施設なので、ふだんの動物病院とは料金の決め方も、診る症例の重さも違います。消費税込みの金額です

この数字の読み方

金額はどれも過去の調査をまとめたもので、いまの料金や、目の前の子にかかる額とは違います。 税込みか税別かも調査によって扱いが違います。

病院ごとに料金は自由に決められるため、同じ処置でも差が出ます。 気になるときは、受診の前に電話で聞いても構いません。金額を先に確認するのは失礼なことではありません。

獣医師に相談するための質問リスト

そのまま診察に持って行けるように整理しました。答えは診察でしか決まりません。

  1. いま与えているフードは、キアリ様奇形・脊髄空洞症と診断された今の状態に合っていますか?
  2. 食事の内容や与え方について、いま変えたほうがよい点はありますか?(種類・量・回数・水分の取り方)
  3. おやつやトッピングは続けてよいですか?避けたほうがよいものはありますか?
  4. 家で見ておくべきサインはどれですか?(気づいた変化: 首・肩のあたりを気にしてかく。特にリードや首輪で歩いているとき、皮膚に触れずに空をかく「ファントムスクラッチ(幻肢掻痒)」/理由なく突然キャンと鳴く・寝ている姿勢を変えるときに鳴く など)
  5. 次の受診や再検査はいつ頃がよいですか?その間に悪化を示すサインはどれですか?
  6. 今後の健診や定期検査で、確認しておくとよい項目はありますか?
  7. 食事以外に、家でできる工夫(環境・運動・体重)はありますか?

出典(2件)

このページは受診の判断を支える一般情報であり、診断や個別の助言ではありません。 症状や食事の方針は、かかりつけの獣医師の診察に基づいて決めてください。