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壊死性髄膜脳炎(パグ脳炎)

Necrotizing Meningoencephalitis (NME) 対象: 犬 分類: 神経 最終更新: 2026-07-11

食事との関係

特になし(食事が原因・治療対象となる疾患ではない)

家で気づけるサイン

  • けいれん発作(全般または部分。繰り返すこともある)
  • 性格・行動の変化(元気消失・反応が鈍い・ぼんやりする)
  • ぐるぐる回る(旋回)・ふらつき(運動失調)
  • 目が見えにくそう(視覚障害・失明)
  • 首を痛がる・触られるのを嫌がる
  • 進行すると意識レベルの低下

受診の目安

緊急(夜間救急)(けいれん・意識障害・急な神経症状は時間を問わず救急受診)

年齢の傾向

若齢〜若年成犬に多い(発症の中央値は約1.5〜2.5歳、多くは6歳までに発症)

なりやすいとされる犬種・猫種

詳しい解説

壊死性髄膜脳炎(パグ脳炎)(Necrotizing Meningoencephalitis (NME))

脳とその周囲の膜(髄膜)に強い炎症と組織の壊れ(壊死)が起こる、免疫の関与が疑われる神経の病気。パグでの報告が古くからあり「パグ脳炎」とも呼ばれるが、パグ以外の小型犬でも起こる。若い成犬で発症することが多く、けいれんや行動の変化から始まり、進行が速い点が飼い主に伝えるべき重要ポイント。その後の見通しは一般に厳しいことが知られる(MSD Vet Manual)。

けいれんや急な様子の変化は、この病気に限らず緊急性の高いサインのことがあるため、自己判断で様子見をしない。

好発品種(根拠の別)

パグでは、発症に関わる遺伝的リスク領域(DLAクラスII)が研究で同定されており(Barber 2011)、リスク評価のための遺伝子検査が研究・一部の検査機関で提供される(発症の確定ではなくリスクの目安)。マルチーズチワワでも同様のDLA関連が報告される。ヨークシャー・テリアペキニーズパピヨンシー・ズーコトン・ド・テュレアールブリュッセル・グリフォンなどの小型犬でも好発が知られるが、これらは主に臨床・疫学的な関連(疫学的関連)で、確立した個別の遺伝子検査があるわけではない。裏付けの取れない品種名は挙げていない。

飼い主が気づける徴候

  • けいれん発作(全身または体の一部。短時間でも繰り返すことがある)
  • 性格・行動の変化(元気がない・呼びかけへの反応が鈍い・ぼんやりする)
  • ぐるぐる同じ方向に回る(旋回)、ふらつく(運動失調)
  • 物にぶつかる・目が見えにくそう(視覚障害・失明)
  • 首を痛がる、触られるのを嫌がる
  • 進行すると意識レベルが下がる

受診目安・予防

けいれん・意識障害・急な神経症状は、時間を問わず救急(夜間救急を含む)で受診するのが望ましい。発作が5分以上続く、短時間に繰り返す場合はとくに急を要する。確定診断はMRIや脳脊髄液検査など専門的な検査が必要なため、動物病院・二次診療施設での評価に委ねる。好発品種、とくにパグではリスク評価の遺伝子検査が選択肢になるが、これはあくまでリスクの目安であり発症の有無を決めるものではない。具体的な治療内容は獣医師の診察に委ねる(本項では扱わない)。

費用の目安

壊死性髄膜脳炎(パグ脳炎)にかかるお金は、症状の重さ・通う回数・住んでいる地域・その病院の料金設定で変わります。 ここに出すのは見積もりではなく、公表されている調査から拾った幅です。 自分の家の場合にいくらになるかは、かかりつけの病院で聞くのが確実です。

動物病院の料金表から(項目ごと)

項目金額この検査・処置を行っていない病院もとの表
脳脊髄液検査(採取料)犬猫共通6,250円80.2%p.69(PDF p.74)
脳脊髄液検査(検査料)犬猫共通8,750円79.1%p.69(PDF p.74)
MRI検査犬猫共通回答16件と少なく、相場とは言えません45,000円92.6%p.75(PDF p.80)
MRI撮影料A(1臓器)犬猫共通31,350円別表2(小動物診療料金表)

「この検査・処置を行っていない病院」の欄は、そう答えた病院の割合です。数字が大きい項目は、 かかりつけでは対応しておらず、紹介先の病院に移ることがあります。

出典: 日本獣医師会 家庭飼育動物(犬・猫)の診療料金実態調査 調査結果(令和5年9月)

いつのデータか: 2021年8月から10月にかけて動物病院に行ったアンケートで、そのときの料金設定です

読むときの注意: 回答した病院の自己申告です。獣医師の団体が料金の基準を決めることは法律で禁じられているため、全国共通の定価はありません。回答した病院の96.3%はふだんの診察を担う病院なので、紹介先の専門病院の料金とはずれることがあります

出典: 鳥取大学農学部附属動物医療センター諸料金規則 別表2(小動物診療料金表)

いつのデータか: 2026年4月1日から適用されている、規則に定められた料金です

読むときの注意: 1つの大学病院が公表している料金で、全国の相場ではありません。大学病院は紹介を受けて専門的な診療を行う施設なので、ふだんの動物病院とは料金の決め方も、診る症例の重さも違います。消費税込みの金額です

この数字の読み方

金額はどれも過去の調査をまとめたもので、いまの料金や、目の前の子にかかる額とは違います。 税込みか税別かも調査によって扱いが違います。

病院ごとに料金は自由に決められるため、同じ処置でも差が出ます。 気になるときは、受診の前に電話で聞いても構いません。金額を先に確認するのは失礼なことではありません。

獣医師に相談するための質問リスト

そのまま診察に持って行けるように整理しました。答えは診察でしか決まりません。

  1. いま与えているフードは、壊死性髄膜脳炎(パグ脳炎)と診断された今の状態に合っていますか?
  2. 食事の内容や与え方について、いま変えたほうがよい点はありますか?(種類・量・回数・水分の取り方)
  3. おやつやトッピングは続けてよいですか?避けたほうがよいものはありますか?
  4. 家で見ておくべきサインはどれですか?(気づいた変化: けいれん発作(全般または部分。繰り返すこともある)/性格・行動の変化(元気消失・反応が鈍い・ぼんやりする) など)
  5. 次の受診や再検査はいつ頃がよいですか?その間に悪化を示すサインはどれですか?
  6. 今後の健診や定期検査で、確認しておくとよい項目はありますか?
  7. 食事以外に、家でできる工夫(環境・運動・体重)はありますか?

出典(3件)

  • Congenital and Inherited Cerebral Disorders in Small Animals

  • Windsor R, et al. 2022(前向きコホート)J Vet Int…

    DOI 10.1111/jvim.16444

  • Identification of risk loci for necrotizing meningoencephalitis in Pug dogs

    PubMed (PMID 21846746)

このページは受診の判断を支える一般情報であり、診断や個別の助言ではありません。 症状や食事の方針は、かかりつけの獣医師の診察に基づいて決めてください。