慢性腸症(炎症性腸疾患・IBD)
Chronic Enteropathy / Inflammatory Bowel Disease (IBD) 対象: 犬・猫 分類: 消化器 最終更新: 2026-08-13
食事との関係
食事への反応で診断と管理を進める病気で、除去食による試験が中心的に関わる
家で気づけるサイン
- 3週間以上続く下痢
- 繰り返す嘔吐
- 体重が減ってくる
- 食欲のむらが続く
- 便に粘液や血が混じることがある
受診の目安
早めに受診(3週間以上続く下痢・嘔吐、体重減少があれば)。ぐったりする・強い脱水・血便が続く場合は当日受診
年齢の傾向
明確な年齢の素因は確立されていない。中年齢以降で報告が多いとされる(一般値)
なりやすいとされる犬種・猫種
詳しい解説
慢性腸症(炎症性腸疾患・IBD)
3週間以上、下痢や嘔吐が続く状態をまとめて指します。 原因はひとつではなく、食事への反応で治まるもの・抗菌薬で治まるもの・ それ以外のものに分かれていきます。
飼い主が気づける徴候
- 下痢が3週間以上続く(やわらかい便・水様便)
- 嘔吐を繰り返す
- 食べているのに体重が減る
- 便に粘液や血が混じる
一時的な下痢との違いは「続く」ことです。 数日で戻るものではなく、 よくなったり悪くなったりを繰り返しながら3週間以上続く場合に、この可能性が考えられます。
受診目安
3週間以上続く下痢や嘔吐、体重が減ってきたときは早めに受診してください。 ぐったりする、強い脱水、血便が続く場合は当日の受診が必要です。
診断は、寄生虫や感染症など他の原因を順に除いていく形で進みます。 食事を変えて反応を見ることが、診断の一部になります。
食事の考え方
この病気では、食事が診断と管理の両方を兼ねます。
この節は、獣医師が食事を選ぶときに何を見ているかを説明するものです。銘柄をすすめるものでも、自己判断で始めてよいという意味でもありません。 実際に何を、どれだけ与えるかは、その子の検査結果をもとに獣医師が決めます。
食事試験
新奇タンパク(今まで食べたことのない種類)または加水分解タンパク(細かく分解したもの)の 食事に切り替え、最低2週間続けて症状が変わるかを見ます。 反応がなかった場合、状態が落ち着いていれば2回目の試験を検討することもあります。
これで治まる場合を「食事反応性腸症」と呼びます。 この試験も、ほかのものを一切与えないことが前提です。 おやつ・トッピング・薬を包むチーズもすべて止めます。
| 何を | なぜ見るか |
|---|---|
| たんぱく源 | 加水分解または新奇のものに絞ります |
| 脂肪 | 量が調整されることがあります |
| 食物繊維 | 溶けるものと溶けないもののバランスが調整されます |
| プレバイオティクス | フラクトオリゴ糖などが設計に組み込まれることがあります |
食物アレルギーと重なる部分があり、区別は獣医師が診断します。
獣医師に相談するための質問リスト
そのまま診察に持って行けるように整理しました。答えは診察でしか決まりません。
- いま与えているフードは、慢性腸症(炎症性腸疾患・IBD)と診断された今の状態に合っていますか?
- 食事の内容や与え方について、いま変えたほうがよい点はありますか?(種類・量・回数・水分の取り方)
- おやつやトッピングは続けてよいですか?避けたほうがよいものはありますか?
- 家で見ておくべきサインはどれですか?(気づいた変化: 3週間以上続く下痢/繰り返す嘔吐 など)
- 次の受診や再検査はいつ頃がよいですか?その間に悪化を示すサインはどれですか?
- 今後の健診や定期検査で、確認しておくとよい項目はありますか?
- 食事以外に、家でできる工夫(環境・運動・体重)はありますか?
出典(1件)
Inflammatory Bowel Disease in Small Animals
このページは受診の判断を支える一般情報であり、診断や個別の助言ではありません。 症状や食事の方針は、かかりつけの獣医師の診察に基づいて決めてください。