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食事の基本

表示の読み方

最終更新: 2026-08-13

表示の読み方(袋の裏を1枚ずつ)

フードの袋には、法律とルールで「必ず書くこと」が決まっている項目がある。 どこに何が書いてあるかがわかると、同じ土俵に乗っていない商品を比べてしまうことを避けられる。

このページは「読み方」だけを扱う。何食かの区分は フードの区分、 栄養の基準値そのものは 栄養基準・給餌量、原材料の1語ずつの意味は成分辞書にある。

必ず書いてある9項目(公正競争規約)

項目 何が書かれるか 読むときの注意
名称 商品名と、犬用か猫用かの別 犬用と猫用は栄養設計が違う。猫にはタウリンなど猫だけの必須栄養がある
目的 総合栄養食 / 間食 / 療法食 / その他の目的食 ここが主食かどうかの分かれ目(→ フードの区分
内容量 g・kg、または ml・L 1日あたりの単価を出すときの分母
給与方法 年齢・体重ごとの1日量と回数 あくまで目安。実際は体型を見て増減する(→ 栄養基準・給餌量
賞味期限 「賞味期限」の文字+数字 未開封での期限。開封後は別
成分 たんぱく質・脂質・粗繊維・灰分・水分の割合 下の「保証成分値」を参照。数字だけを他商品と比べない
原材料名 添加物も含めて全部・重量の多い順 最初の数個がそのフードの主役
原産国名 最終加工工程を行った国 原材料の産地ではない
事業者名 製造・輸入・販売者の名前と住所 問い合わせ先

保証成分値 — 「以上」と「以下」がついている理由

袋の「成分」欄はこう書かれている。

たんぱく質  26.0%以上
脂質        14.0%以上
粗繊維       4.0%以下
灰分         9.0%以下
水分        10.0%以下

これは実測値ではなく、メーカーが保証する範囲である。たんぱく質と脂質は「これ以上は入っている」、 粗繊維・灰分・水分は「これ以下に抑えている」という約束の形をとる。 だから「26.0%以上」の商品の中身が実際に28%でも表示違反にはならない。

粗タンパク質・粗脂肪・粗繊維の「粗」は何を意味するか

粗たんぱく質・粗脂肪・粗繊維の「粗」は、分析方法に由来する呼び名である。 たとえば粗たんぱく質は窒素の量を測って係数をかけて求めるため、 たんぱく質以外の窒素を含む成分も一緒に数えられる。「品質が粗い」という意味ではない。

灰分は「燃やして残ったもの」

灰分は、試料を燃やしたあとに残る成分の量で、実質的にはミネラルの総量にあたる。 多ければ悪いというものではなく、骨や内臓を含む原材料構成では自然に高くなる。

水分が違う商品は、そのままでは比べられない

ここがいちばん間違えやすい。

ドライフード(水分10%)とウェットフード(水分75%)の「たんぱく質26%」と「たんぱく質9%」を 並べて「ドライのほうが3倍たんぱく質が多い」と読むのは誤りである。 表示は水分を含んだ状態(as-fed)の値なので、水分を抜いた状態に揃えてから比べる。

乾物あたりの割合 = 表示の値 ÷ (100 − 水分) × 100
表示のたんぱく質 水分 乾物あたり
ドライ 26.0% 10.0% 26.0 ÷ 90 × 100 = 28.9%
ウェット 9.0% 75.0% 9.0 ÷ 25 × 100 = 36.0%

見た目の 26% 対 9% は、揃えると 28.9% 対 36.0% で逆転する

AAFCO や公取協が示す栄養基準も乾物基準なので、 基準を満たしているかを自分で確かめたいときは、この換算をしてから照らし合わせる(→ 栄養基準・給餌量)。

原材料名は「重量の多い順」

原材料は重量の多い順に並ぶ。つまり最初の3〜5個がそのフードの中身のほとんどを占める。

読むときの注意が2つある。

  • 同じ素材を分けて書くと順位が下がる。たとえば「とうもろこし」「コーングルテンミール」「コーンフラワー」が 別々に並んでいれば、合計すれば1位の素材より多いこともある
  • 水分を含む素材は上に来やすい。生の肉は水分が多いため、乾燥した粉より重く、 加工後の実際の割合は表示の順位ほど高くないことがある

添加物は用途(酸化防止剤・着色料など)とともに書かれる。それぞれの意味は成分辞書で1語ずつ引ける。

添加物は、3通りの書かれ方をする

原材料欄の後半に並ぶ添加物は、全部が同じ細かさで書かれているわけではない。 書き方に3つの段階があり、どの段階かによって「何が入っているか」がわかる度合いが変わる。

① 用途名と物質名の両方を書く(6用途)

甘味料・着色料・保存料増粘安定剤酸化防止剤・発色剤 に使われる添加物は、 用途名と物質名の両方を書くことが求められる。

酸化防止剤(BHA)
保存料(ソルビン酸K)
着色料(赤102)

この6用途は物質名まで追える。 気になる添加物があるなら、ここを見れば名前がわかる。

② 一括名で書ける(12用途)

次の用途に使われる添加物は、個別の物質名を書かずに用途名だけで済ませられる

イーストフード / かんすい / 酵素 / 光沢剤 / 香料 / 酸味料 / 調味料 / 豆腐用凝固剤 / 苦味料 / 乳化剤 / pH調整剤 / 膨張剤

つまり「香料」とだけ書かれている場合、そこに何が使われているかは袋からはわからない。 酵素としてアミラーゼとパパインを使っていても、「酵素」の3文字で足りる。

③ ビタミン類・ミネラル類は名前を集約できる

栄養強化のために加えるビタミン・ミネラルは、まとめて書くことが認められている。

ビタミン類(A、B2、D、E)
ミネラル類(Ca、K、Fe、Zn)

袋の末尾でよく見るこの形は、個別の物質名(塩化コリン、亜セレン酸ナトリウム、メナジオンなど)を 省いた表記である。総合栄養食であれば必要な栄養素は満たしているが、 どの化合物の形で加えたかまでは、この書き方からは読み取れない。

キャリーオーバーは書かなくてよい

原材料そのものに含まれていた添加物(キャリーオーバー)の表示は任意である。 たとえば「チーズ」を配合したとき、そのチーズに使われていた添加物は書かなくてよい。


原産国は「最終加工工程を行った国」

農林水産省の整理では、原産国は最終的な加工工程を行った国を指す。 原材料をどこから調達したかではない。国産と書かれていても、原材料が輸入品であることはある。

この表示が守られる仕組み

ペットフードには2つの層のルールがある。

  • ペットフード安全法(愛がん動物用飼料の安全性の確保に関する法律)— 国の法律。 有害な物質を含むフードの製造・輸入・販売を禁じ、成分規格を省令で定める
  • 公正競争規約 — 業界の自主ルール。上の9項目の表示を定めているのはこちら

つまり「表示のルール」と「安全のルール」は別の仕組みで、どちらも満たしたうえで売られている。

関連

このページは受診や診断の代わりにはなりません。迷ったとき、いつもと違うと感じたときは、 かかりつけの獣医師に相談してください。

食事の基本の他のガイド

出典(5件)

  1. 01必要表示事項出典サイト
  2. 02laws.e-gov.go.jp出典サイト
  3. 03laws.e-gov.go.jp出典サイト
  4. 04ペットフードの原産国表示について出典サイト
  5. 05ペットフード安全法に関するQ&A出典サイト