膿皮症
Pyoderma 対象: 犬 分類: 皮膚 最終更新: 2026-07-11
食事との関係
膿皮症自体は食事療法の直接対象ではないが、基礎に食物アレルギーがある反復性の症例では除去食が基礎疾患管理に関与しうる
家で気づけるサイン
- 赤いブツブツ(丘疹)や膿をもったニキビ状の発疹(膿疱)ができる
- リング状に赤みと薄い皮がむける跡が広がる(表皮小環)
- 部分的に毛が薄くなる・抜ける(短毛種では「虫食い状」に見える)
- フケ・かさぶた・べたつき、独特のにおい
- かゆがって舐める・掻く。悪化すると患部が痛そう・じくじくする
受診の目安
早めに受診(広範囲・痛み・じくじく・発熱を伴う深在性の疑いは当日受診)
年齢の傾向
どの年齢でも発症しうる(基礎疾患の好発年齢に左右される)
なりやすいとされる犬種・猫種
- ジャーマン・シェパード・ドッグ(品種好発・深在性膿皮症)
- ブルドッグ(しわ構造・間擦部膿皮症)
- フレンチ・ブルドッグ(しわ構造・間擦部膿皮症)
- パグ(しわ構造・間擦部膿皮症)
- シー・ズー(しわ構造・間擦部膿皮症)
- ペキニーズ(しわ構造・間擦部膿皮症)
この病気に触れている図鑑のページ
1件の犬種・猫種のページが、気をつけたい病気としてこの病気を挙げています。 かかりやすさは個体差が大きく、ここに名前があることが「必ずなる」という意味ではありません。
犬種
詳しい解説
膿皮症(Pyoderma)
皮膚に細菌が感染して膿をもった発疹(膿疱)や赤いブツブツ(丘疹)ができる病気の総称。犬で最も多い原因菌は Staphylococcus pseudintermedius とされる(MSD)。感染の深さで、表皮・毛包にとどまる「表在性」と、真皮以下に及ぶ「深在性」に分けられ、深在性はより重く痛みやにおい・出血や膿の滲出を伴いやすい。
飼い主に伝えるべき最重要ポイントは、膿皮症の多くが単独で起こるのではなく、アレルギー(アトピー性皮膚炎・食物・ノミ)、寄生虫(毛包虫症)、内分泌疾患(甲状腺機能低下症・クッシング症候群)、角化異常などの基礎疾患に続発する「二次性」だという点。表面の膿皮症だけを繰り返しケアしても、下にある原因を見つけないと再発しやすい。
好発品種(根拠の別)
膿皮症は多くが二次性のため、「膿皮症そのものが遺伝する」というより、基礎疾患やしわ構造をもつ犬種で相対的に多くなる、という理解が正確。
- ジャーマン・シェパード・ドッグは、深在性膿皮症が皮膚科的に知られる(品種好発)。
- ブルドッグ、フレンチ・ブルドッグ、パグ、シー・ズー、ペキニーズなど、顔・体にしわ(皮膚のひだ)をもつ犬種は、しわの間が蒸れて間擦部膿皮症(fold pyoderma)を起こしやすい(しわ構造による解剖学的素因。詳しくは)。
- このほか、アトピー性皮膚炎など基礎の皮膚アレルギーをもつ犬は二次的に膿皮症を繰り返しやすい。
いずれも確立した遺伝子検査があるわけではなく、臨床・疫学的に好発が知られる範囲。裏付けの取れない品種名は挙げていない。
飼い主が気づける徴候
- 赤いブツブツ(丘疹)や、膿をもったニキビ状の発疹(膿疱)ができる
- リング状に赤みが広がり、外側で薄い皮がむける跡(表皮小環)が見られる
- 部分的に毛が薄くなる・抜ける。短毛種では毛が「虫食い状」にまばらになって見える
- フケ・かさぶた・皮膚のべたつき、独特のにおい
- かゆがって舐める・掻く。悪化すると患部を痛がる・じくじくと膿や血がにじむ
受診目安・予防
赤いブツブツ・膿疱・脱毛・かゆみが続く場合は早めに受診する。広い範囲に及ぶ、痛みが強い、じくじくして膿が出る、発熱や元気消失を伴う場合は、深在性膿皮症の可能性を考えて当日受診が望ましい。
自己判断で市販薬や消毒を続けると基礎疾患を見逃す原因になる。診断と重症度の評価、菌の確認は動物病院で行うため、繰り返す場合はアレルギーや内分泌疾患などの基礎疾患の検査を相談するとよい。しわ構造の犬種では、間擦部を乾いた清潔な状態に保つことが日常の予防につながる。具体的な治療内容は獣医師の診察に委ねる(本項では扱わない)。
費用の目安
膿皮症にかかるお金は、症状の重さ・通う回数・住んでいる地域・その病院の料金設定で変わります。 ここに出すのは見積もりではなく、公表されている調査から拾った幅です。 自分の家の場合にいくらになるかは、かかりつけの病院で聞くのが確実です。
実際に支払われた金額から
| 対象 | 何の金額か | 金額 | 値の種類 | もとの表 |
|---|---|---|---|---|
| 犬全診療・犬全体5〜9歳 | 1年間にかかった総額 | 31,858円 | 平均 | p.61 図表2-3-4(5〜9歳) |
| 犬全診療・犬全体5〜9歳 | 1年間にかかった総額 | 14,025円 | まんなかの値 | p.61 図表2-3-4(5〜9歳) |
出典: アニコム家庭どうぶつ白書2025
いつのデータか: 2023年4月から2024年3月までに保険の契約を始めた犬と猫の記録です。通院・入院・手術をあわせた金額です
読むときの注意: 保険に入っている家庭の記録です。窓口でその場で精算できるぶん受診しやすく、入っていない家庭より金額が高めに出ることがあります。契約できる年齢に上限があるため、高齢になってから迎えた子は含まれにくくなっています
この数字の読み方
金額はどれも過去の調査をまとめたもので、いまの料金や、目の前の子にかかる額とは違います。 税込みか税別かも調査によって扱いが違います。
病院ごとに料金は自由に決められるため、同じ処置でも差が出ます。 気になるときは、受診の前に電話で聞いても構いません。金額を先に確認するのは失礼なことではありません。
獣医師に相談するための質問リスト
そのまま診察に持って行けるように整理しました。答えは診察でしか決まりません。
- いま与えているフードは、膿皮症と診断された今の状態に合っていますか?
- 食事の内容や与え方について、いま変えたほうがよい点はありますか?(種類・量・回数・水分の取り方)
- おやつやトッピングは続けてよいですか?避けたほうがよいものはありますか?
- 家で見ておくべきサインはどれですか?(気づいた変化: 赤いブツブツ(丘疹)や膿をもったニキビ状の発疹(膿疱)ができる/リング状に赤みと薄い皮がむける跡が広がる(表皮小環) など)
- 次の受診や再検査はいつ頃がよいですか?その間に悪化を示すサインはどれですか?
- 今後の健診や定期検査で、確認しておくとよい項目はありますか?
- 食事以外に、家でできる工夫(環境・運動・体重)はありますか?
出典(2件)
Pyoderma in Dogs and Cats
Pyoderma in Dogs
このページは受診の判断を支える一般情報であり、診断や個別の助言ではありません。 症状や食事の方針は、かかりつけの獣医師の診察に基づいて決めてください。