実物の写真はJKC公式の犬種紹介や画像検索もあわせてご覧ください。
使役犬 / 超大型
マスティフ
Mastiff
番犬・警備・救助などで人と働いてきた犬のグループです
体高 / JKC標準
69–76cm
- 体重
- 54–104kg 雄約72-104 / 雌約54-77(ロイヤルカナンの一般値。JKC標準に体重の記載はありません)
- 寿命の目安
- 6–10年 個体差があります
- 運動量
- 30–60分/日 高温回避
- 被毛
- 短く密に生えた毛 体にぴったり寝ていて、雨や寒さをしのげます
公認毛色 アプリコット・フォーン・シルバー・フォーン・フォーン・ダーク・フォーン・ブリンドル
この犬種の食事の要点
胸が深く体が大きいぶん、胃がねじれるトラブルへの備えが要ります。早食いさせない、食べた直後に動かさない、1日分を2〜3回に分ける。
この3つを習慣にしてください。子犬のうちに食べさせすぎると、育ちきっていない骨と関節に負担がかかります。
おとなになってからはおなかが弱い子が多いとされるので、フードを急に変えないこと。よだれの量が多い犬なので、水はいつでも飲めるようにしておきましょう
- 胸が深く体が大きい→胃がねじれると救急
- 子犬のときの食べさせすぎ→骨と関節に負担
- おとなになってからの太りすぎ
- おなかが弱い子が多い(広く知られている範囲の情報)
かかりやすい病気と、気づくサイン
この犬種で報告が多い病気です。必ずかかるわけではありません
右に「くわしく見る」がある病気は、食事との関係の解説ページがあります
胃拡張捻転(GDV)
ここに挙げるのは「この犬種に多いとされる傾向」であって、必ずかかるという話ではありません。気になるサインがあれば早めに受診してください。 このほか、心臓の筋肉が伸びて弱る病気(拡張型心筋症)、心臓の出口が狭くなる病気、まぶたが外や内にめくれる状態、尿石ができやすい体質(シスチン尿症)、大型犬に見られる骨のがん(骨肉腫)も、この犬種で話題になることがあります(いずれも当DBに個別ページなし・傾向としての言及です)。
性格とケア
JKC・獣医学リファレンスの定性記述を
5段階に変換した目安。個体差があります
この犬種の性格とケアの要点
とても穏やかで飼い主思いの、力の強い巨大な番犬。よその犬とは距離を取りたがる子が多く、家の中でのんびり過ごすのが好きな傾向があります。
暮らしの中では、夏の暑さ対策・体格に見合った運動と体重の管理・体重と歯のこまめな確認に手をかける時間が長くなります。
人やほかの動物に慎重なことと超大型犬ならではの力の強さから、初めて犬を迎える人には難易度が高めとされる犬種です。しつけ教室やトレーナーなど、相談できる相手を先に決めておくと進めやすくなります。
- 夏の暑さ対策
- 体格に見合った運動と体重の管理
- 体重と歯のこまめな確認
気質
暮らしの負荷
- 運動のタイプ
- ゆっくりした散歩が中心です。活発な犬ではありませんが、太らせないために毎日歩かせてください。長距離を走らせたり、暑い時間に外へ出したりするのは避けましょう
- お手入れ
- カットは不要。毛が短いので、週1回ゴムのブラシで抜け毛を取る程度で足ります。手をかけたいのはむしろ顔まわりです。しわの奥、まぶた、たるんだ皮膚の間を確認し、たれ耳の内側ものぞいてください。口の周りはよだれで濡れるので、こまめに拭いてあげましょう
- トリミング
- 不要
解説
マスティフ
沿革
祖先はチベタン・マスティフだとされる、たいへん古い犬種です。紀元前700年のバビロンの浮き彫りには、野生の馬やライオンを狩るこの犬の姿が刻まれています。ジュリアス・シーザーがイングランド遠征のときに連れ帰り、闘技に使いました。中世には軍用犬としても働いています。
17世紀まで、イングランドでは熊と犬を闘わせる見世物が国技とされていました。1642年にこれが禁じられると、頭数はぐっと減ります。その後ドッグショーが盛んになるにつれて息を吹き返し、およそ100年前にいまの犬種標準ができました(JKC沿革より要約)。世界で最も重い犬種のひとつです。
一般外貌
JKC標準:「頭部のアウトラインは、どの角度から見てもスクエアである。ボディは頑健で、幅広い。又、深く、長く、力強く構成されている」(出典: JKCマスティフページ 2026-07-14確認)。筋肉の形がはっきり見え、四肢は四角い枠に収まるように配置されます。頭は大きく角ばっていて、鼻先は短めで幅広。耳はたれ耳です。公認毛色はアプリコット・フォーン、シルバー・フォーン、フォーン、ダーク・フォーン・ブリンドルの4つ。どの色でも、鼻先・耳・鼻・目のまわりは黒くなります。
性格と暮らし
JKC標準の性格記述:「落ち着きがあり、飼い主に対する愛情が深く、護衛能力もある」(出典: JKCマスティフページ 2026-07-14確認)。
犬の中でも指折りの穏やかさで、「優しい巨人」と呼ばれます。飼い主への愛情はとても深いもの。その裏返しで、知らない人には慎重になり、こわがる一面も持っています。意味もなく吠えることは少なく、静かに家を見守るタイプです。
問題は、その体です。70kgを超える力と、家族を守ろうとする本能。これを扱うには、家族全員でぶれないルールを決め、子犬のうちからいろいろな人・犬・場所に慣らしておく必要があります。
そして現実的な話も。フード代も医療費も大型犬のそれです。よだれで床も服も濡れます。寿命は短めで、10年一緒にいられたら長いほう。ここまで承知したうえで迎えてください。初めて犬を飼う人には、正直おすすめしません。
ケアのポイント
子犬時代の育て方が、この犬の一生を決めます。体重を急に増やさないこと、はげしい運動をさせないこと。まだ育ちきっていない骨と関節に、いま無理をさせないでください。
食事はゆっくり、少しずつ、食後は静かに。胸が深い犬にとって、胃がねじれることは命に関わります。おとなになってからは体重にも気を配りましょう。
夏は本当に苦手です。鼻先が短めで熱を逃がしにくいため、エアコンは切らないでください。散歩は涼しい時間に。
毛は短くて手がかかりませんが、顔まわりは別。しわの奥、まぶた、たるんだ皮膚の間を毎日見てあげてください。よだれもこまめに拭きましょう。
そして、こわがらせないこと。子犬のうちからいろいろな人と場所に慣らし、いつも同じルールで接する。70kgの犬と安全に暮らすための土台はここにあります。
このページは犬種の一般的な傾向をまとめたもので、個体差があります。 健康や食事について判断が必要なときは、かかりつけの獣医師の診察に基づいて決めてください。