肘関節形成不全
Elbow Dysplasia 対象: 犬 分類: 整形 最終更新: 2026-07-11
食事との関係
急速な成長・食べさせすぎ・肥満が発症・進行の負荷因子。大型犬の成長期には適切な成長速度を保つ給餌管理が推奨され、体重管理は関節負担の軽減に重要(療法食の適否は獣医師に相談。)
家で気づけるサイン
- 前足を引きずる(片側または両側。両側だとびっこが目立たず気づきにくい)
- 休んだ後の歩き始めのこわばり、運動後の悪化
- 前肢の可動域が狭い・肘を外に張るような歩き方
- 運動や散歩を嫌がる・すぐ疲れる
- 慢性化すると前肢の筋萎縮
受診の目安
早めに受診(若齢の大型犬で前足を引きずる・こわばりが続く場合。急に強く痛がり体重をかけられないときは当日受診)
年齢の傾向
若齢の大型・超大型犬(多くは生後4〜10か月で足を引きずるようになる。尺骨肘頭突起癒合不全は4〜8か月)。両側性は1歳以降に気づかれることもある
なりやすいとされる犬種・猫種
- ラブラドール・レトリバー(遺伝性・表現型スクリーニング対象)
- ゴールデン・レトリバー(遺伝性・表現型スクリーニング対象)
- バーニーズ・マウンテン・ドッグ(遺伝性・表現型スクリーニング対象)
- ロットワイラー(遺伝性)
- ジャーマン・シェパード・ドッグ(遺伝性・尺骨肘頭突起癒合不全)
- セント・バーナード(遺伝性・尺骨肘頭突起癒合不全)
- バセット・ハウンド(遺伝性・尺骨肘頭突起癒合不全)
この病気に触れている図鑑のページ
59件の犬種・猫種のページが、気をつけたい病気としてこの病気を挙げています。 かかりやすさは個体差が大きく、ここに名前があることが「必ずなる」という意味ではありません。
犬種
アイリッシュ・ウォーター・スパニエル・イタリアン・コルソ・ドッグ・イタリアン・スピノーネ・イングリッシュ・スプリンガー・スパニエル・イングリッシュ・セター・イングリッシュ・ポインター・エアデール・テリア・エストレラ・マウンテン・ドッグ・オーストラリアン・キャトル・ドッグ・オーストラリアン・シェパード・カーリーコーテッド・レトリーバー・クーバース・グラン・バセット・グリフォン・バンデーン・グリーンランド・ドッグ・グレート・スイス・マウンテン・ドッグ・グレート・デーン・グレート・ピレニーズ・コーカシアン・シェパード・ドッグ・ゴードン・セター・コモンドール・サールロース・ウルフドッグ・ジャーマン・シェパード・ドッグ・ジャーマン・ショートヘアード・ポインター・ジャーマン・ピンシャー・ジャーマン・ワイアーヘアード・ポインター・ジャイアント・シュナウザー・シャルプラニナッツ・スパニッシュ・マスティフ・セント・バーナード・セントラル・アジア・シェパード・ドッグ・チェコスロバキアン・ウルフドッグ・チェサピーク・ベイ・レトリーバー・チベタン・マスティフ・チャウ・チャウ・ナポリタン・マスティフ・ニューファンドランド・バセット・ハウンド・ピレニアン・マスティフ・ファラオ・ハウンド・フィニッシュ・ラップフンド・フィラ・ブラジレイロ・ブービエ・デ・フランダース・プーリー・ブラッコ・イタリアーノ・ブラッドハウンド・ブルマスティフ・プレサ・カナリオ・ベルジアン・シェパード・ドッグ・ボースロン・ボルゾイ・ボルドー・マスティフ・ホワイト・スイス・シェパード・ドッグ・マスティフ・マレンマ・シープドッグ・ムーディー・レオンベルガー・ローデシアン・リッジバック・ロットワイラー・土佐(トサ)
詳しい解説
肘関節形成不全(Elbow Dysplasia)
肘関節を構成する骨(上腕骨・橈骨・尺骨)の発育が調和せず、関節の適合不良や軟骨・突起の異常を生じる発育性の遺伝性疾患の総称。尺骨肘頭突起癒合不全(UAP)、内側鈎状突起病(MCD)、離断性骨軟骨症(OCD)などが含まれ、いずれも早期から変形性関節症(関節炎)につながりやすい。若齢の大型・超大型犬に多く、多くは生後4〜10か月で前足を引きずる様子として現れる(MSD)。
両側性のことも多く、その場合は左右とも同じように痛むため「びっこ」が目立たず、単に「運動を嫌がる子」「疲れやすい子」と見過ごされやすい点が飼い主に伝えるべきポイント。
好発品種(根拠の別)
MSD は病型ごとに好発品種を挙げている。尺骨肘頭突起癒合不全(UAP)はジャーマン・シェパード・ドッグ、セント・バーナード、バセット・ハウンド。内側鈎状突起病・離断性骨軟骨症はラブラドール・レトリバー、ゴールデン・レトリバー、バーニーズ・マウンテン・ドッグ、ロットワイラー。いずれも遺伝性の発育性疾患として知られ、OFA(米)やスカンジナビア・欧州のケネルクラブ(IEWG方式)が X線による評価・グレーディングを行っている(遺伝性・表現型スクリーニング対象)。DNA 検査ではなくX線表現型による評価である点に留意。裏付けの取れない品種名は挙げていない。
飼い主が気づける徴候
- 前足を引きずる(片側または両側。両側だと目立たず気づきにくい)
- 休んだ後の歩き始めのこわばり、運動後に悪化する
- 前肢の可動域が狭い、肘を外に張るような歩き方
- 散歩や運動を嫌がる、すぐ疲れる
- 慢性化すると前肢(肩まわり)の筋肉が細くなる
受診目安・予防
若齢の大型・超大型犬で、前足を引きずる・歩き始めがこわばるといった状態が続く場合は早めに受診する。急に強く痛がり体重をかけられないときは当日受診が望ましい。繁殖を考える場合は、OFA やケネルクラブの X線スクリーニングで肘の評価を受けることが発生予防につながる。成長期は食べさせすぎ・肥満・過度な運動を避け、適切な成長速度を保つことが関節への負担軽減に役立つ。診断・重症度評価は X線や CT・関節鏡など専門の検査で行うため、自己判断のサプリのみで様子見せず受診する。具体的な治療内容は獣医師の診察に委ねる(本項では扱わない)。
獣医師に相談するための質問リスト
そのまま診察に持って行けるように整理しました。答えは診察でしか決まりません。
- いま与えているフードは、肘関節形成不全と診断された今の状態に合っていますか?
- 食事の内容や与え方について、いま変えたほうがよい点はありますか?(種類・量・回数・水分の取り方)
- おやつやトッピングは続けてよいですか?避けたほうがよいものはありますか?
- 家で見ておくべきサインはどれですか?(気づいた変化: 前足を引きずる(片側または両側。両側だとびっこが目立たず気づきにくい)/休んだ後の歩き始めのこわばり、運動後の悪化 など)
- 次の受診や再検査はいつ頃がよいですか?その間に悪化を示すサインはどれですか?
- 今後の健診や定期検査で、確認しておくとよい項目はありますか?
- 食事以外に、家でできる工夫(環境・運動・体重)はありますか?
出典(1件)
Elbow Dysplasia in Dogs
このページは受診の判断を支える一般情報であり、診断や個別の助言ではありません。 症状や食事の方針は、かかりつけの獣医師の診察に基づいて決めてください。