犬猫小町(準備中)

短頭種気道症候群

Brachycephalic Obstructive Airway Syndrome (BOAS) 対象: 犬・猫 分類: 呼吸器 最終更新: 2026-07-11

食事との関係

肥満がBOASを悪化させるため体重管理が重要(食事・減量。早食い/丸呑み対策の形状配慮も)

家で気づけるサイン

  • いびき・ガーガー/ゼーゼーいう呼吸音(安静時にも聞こえる)
  • 運動や暑さにすぐバテる・すぐ息が上がる
  • 興奮・運動後に呼吸がとても苦しそう
  • 食後の吐き戻し・えづき(消化器症状を伴うことがある)
  • 重症時は舌が青紫(チアノーゼ)・失神・虚脱

受診の目安

早めに受診(いびき・呼吸音・運動不耐は重症度評価の対象)。呼吸困難・チアノーゼ・虚脱・夏場にパンティングが止まらない(熱中症の危険)は緊急(夜間救急)

年齢の傾向

構造的な素因のため若齢から徴候が出うる。加齢・肥満で悪化

なりやすいとされる犬種・猫種

この病気に触れている図鑑のページ

9件の犬種・猫種のページが、気をつけたい病気としてこの病気を挙げています。 かかりやすさは個体差が大きく、ここに名前があることが「必ずなる」という意味ではありません。

詳しい解説

短頭種気道症候群(Brachycephalic Obstructive Airway Syndrome (BOAS))

鼻が短く顔が平たい「短頭種」で、頭蓋骨の短さに対して軟部組織(軟口蓋など)が相対的に多すぎることで、上部の気道(鼻〜のど)が狭くなり呼吸がしづらくなる病態の総称。鼻の穴が狭い(鼻腔狭窄)・軟口蓋が長すぎる(軟口蓋過長)・喉頭小嚢の反転・気管の低形成などが組み合わさって起こる。いびきや運動・暑さへの弱さといった「その犬種では当たり前」と思われがちな呼吸音が、実は評価すべき症状であることが多い。

フレンチ・ブルドッグパグブルドッグでの研究(Liu NC, et al. 2017, PLoS One, PMID 28763490)では、鼻の穴の狭さ(鼻腔狭窄)が3犬種すべてで最も強い予測因子で、これは鎮静なしでも確認できる所見とされる。肥満は症状を悪化させる。犬だけでなく、ペルシャ・エキゾチックショートヘアなど短頭の猫でも起こりうる(これらの猫種は本KB未収録)。治療(外科的整復を含む)は獣医師の判断領域であり、本ページは受診判断の支援にとどめる。

好発品種(根拠の別)

飼い主が気づける徴候

  • いびき・ガーガー/ゼーゼーいう呼吸音(安静時にも聞こえる)
  • 運動や暑さにすぐバテる・すぐ息が上がる・散歩を嫌がる
  • 興奮・運動後に呼吸がとても苦しそう
  • 食後の吐き戻し・えづき
  • 重症時は舌が青紫(チアノーゼ)・失神・虚脱

受診目安・予防

  • 早めに受診: いびき・呼吸音・運動不耐は「体質」で片づけず、重症度の評価を受ける価値がある。
  • 緊急(夜間救急): 強い呼吸困難・舌が青紫(チアノーゼ)・虚脱、夏場にパンティングが止まらない(短頭種は熱中症リスクが非常に高い)。
  • 予防・早期発見: 確立した遺伝子検査はない。鼻腔狭窄は無鎮静でも確認できる重要所見。肥満予防・暑さ回避・首を圧迫しないハーネスの使用が生活管理の柱。
  • 本ページは受診判断の支援であり、治療・薬剤の指南ではない。

費用の目安

短頭種気道症候群にかかるお金は、症状の重さ・通う回数・住んでいる地域・その病院の料金設定で変わります。 ここに出すのは見積もりではなく、公表されている調査から拾った幅です。 自分の家の場合にいくらになるかは、かかりつけの病院で聞くのが確実です。

実際に支払われた金額から

対象何の金額か金額値の種類もとの表
全診療・フレンチ・ブルドッグ177頭の記録1年間にかかった総額140,151円平均p.28 図表2-2-26(フレンチ・ブルドッグ)
全診療・フレンチ・ブルドッグ177頭の記録1年間にかかった総額126,021円まんなかの値p.28 図表2-2-26(フレンチ・ブルドッグ)
全診療・パグ101頭の記録1年間にかかった総額121,137円平均p.35 図表2-2-47(パグ)
全診療・パグ101頭の記録1年間にかかった総額108,790円まんなかの値p.35 図表2-2-47(パグ)

出典: アニコム家庭どうぶつ白書2025

いつのデータか: もとの資料に、いつからいつまでを数えたかの記載がありません

読むときの注意: 保険に入っている家庭の記録です。窓口でその場で精算できるぶん受診しやすく、入っていない家庭より金額が高めに出ることがあります。契約できる年齢に上限があるため、高齢になってから迎えた子は含まれにくくなっています

この数字の読み方

金額はどれも過去の調査をまとめたもので、いまの料金や、目の前の子にかかる額とは違います。 税込みか税別かも調査によって扱いが違います。

病院ごとに料金は自由に決められるため、同じ処置でも差が出ます。 気になるときは、受診の前に電話で聞いても構いません。金額を先に確認するのは失礼なことではありません。

獣医師に相談するための質問リスト

そのまま診察に持って行けるように整理しました。答えは診察でしか決まりません。

  1. いま与えているフードは、短頭種気道症候群と診断された今の状態に合っていますか?
  2. 食事の内容や与え方について、いま変えたほうがよい点はありますか?(種類・量・回数・水分の取り方)
  3. おやつやトッピングは続けてよいですか?避けたほうがよいものはありますか?
  4. 家で見ておくべきサインはどれですか?(気づいた変化: いびき・ガーガー/ゼーゼーいう呼吸音(安静時にも聞こえる)/運動や暑さにすぐバテる・すぐ息が上がる など)
  5. 次の受診や再検査はいつ頃がよいですか?その間に悪化を示すサインはどれですか?
  6. 今後の健診や定期検査で、確認しておくとよい項目はありますか?
  7. 食事以外に、家でできる工夫(環境・運動・体重)はありますか?

出典(2件)

このページは受診の判断を支える一般情報であり、診断や個別の助言ではありません。 症状や食事の方針は、かかりつけの獣医師の診察に基づいて決めてください。