肥満
Obesity 対象: 犬・猫 分類: 代謝・内分泌 最終更新: 2026-08-13
食事との関係
カロリーと体重の管理そのものが対応の中心。減量の速度は獣医師が決める
家で気づけるサイン
- 上から見たときにくびれがない
- 肋骨を触っても骨の感触がわかりにくい
- 動きたがらない・すぐ息が上がる
- 毛づくろいが届かない場所が出てくる(猫)
受診の目安
急を要するものではないが、健診で相談する。急に体重が増えた・減った場合は内分泌の病気が隠れていることがあり受診
年齢の傾向
避妊・去勢後や、運動量が落ちる中年齢以降に増える
なりやすいとされる犬種・猫種
詳しい解説
肥満
太っていること自体が、ほかの多くの病気の背景になります。 関節への負担、糖尿病、呼吸のしづらさ、麻酔のリスクなどに関わります。
飼い主が気づける徴候
体重計の数字より、触って確かめるほうが確かです。
- 上から見て、腰のくびれがない
- 横から見て、おなかが吊り上がっていない
- 肋骨を触っても、骨の感触がわかりにくい
- 動きたがらない、すぐ息が上がる
- 猫では、背中や腰の毛づくろいが届かなくなる
受診目安
急を要するものではありません。健診のときに体型を見てもらうのが現実的です。
ただし、食事量を変えていないのに急に増えた・減った場合は、 甲状腺やホルモンの病気が隠れていることがあるので受診してください。
食事の考え方
「量を減らす」だけでは、うまくいかないことが多い病気です。
この節は、獣医師が食事を選ぶときに何を見ているかを説明するものです。銘柄をすすめるものでも、自己判断で始めてよいという意味でもありません。 実際に何を、どれだけ与えるかは、その子の検査結果をもとに獣医師が決めます。
必要なカロリーは状態で変わる
1日に必要なエネルギーは、安静時の必要量に係数を掛けて求めます。 この係数が、避妊・去勢の有無や太りやすさで変わります。
| 係数の目安 | |
|---|---|
| 避妊去勢済みの犬 | 安静時の1.6倍 |
| 太りやすい犬 | 安静時の1.4倍 |
| 避妊去勢済みの猫 | 安静時の1.2倍 |
| 太りやすい猫 | 安静時の1倍 |
避妊・去勢のあとは必要量が下がります。 同じ量を続ければ増えるのは自然なことで、 その子の食べ過ぎというより設定の問題です。
なおこの計算は開始点であって処方ではありません。 個体差が大きいため、 実際には体重と体型を見ながら調整していきます。
減らし方
| 何を | なぜ見るか |
|---|---|
| カロリー | 減量食は、量を減らさずにカロリーだけ下げる設計になっています |
| たんぱく質 | 減らすときに筋肉まで落とさないため、高めに保ちます |
| 食物繊維 | かさを保って満腹感につなげます |
| **[[l-carnitine\ | L-カルニチン]]** |
猫の急な減量は危険です。 短期間に体重を落とすと肝リピドーシスを 招く懸念があります。目標と速度は必ず獣医師と決めてください。
獣医師に相談するための質問リスト
そのまま診察に持って行けるように整理しました。答えは診察でしか決まりません。
- いま与えているフードは、肥満と診断された今の状態に合っていますか?
- 食事の内容や与え方について、いま変えたほうがよい点はありますか?(種類・量・回数・水分の取り方)
- おやつやトッピングは続けてよいですか?避けたほうがよいものはありますか?
- 家で見ておくべきサインはどれですか?(気づいた変化: 上から見たときにくびれがない/肋骨を触っても骨の感触がわかりにくい など)
- 次の受診や再検査はいつ頃がよいですか?その間に悪化を示すサインはどれですか?
- 今後の健診や定期検査で、確認しておくとよい項目はありますか?
- 食事以外に、家でできる工夫(環境・運動・体重)はありますか?
出典(1件)
Nutritional Requirements and Related Diseases of Small Animals
このページは受診の判断を支える一般情報であり、診断や個別の助言ではありません。 症状や食事の方針は、かかりつけの獣医師の診察に基づいて決めてください。