犬猫小町(準備中)

気管虚脱

Tracheal Collapse 対象: 犬 分類: 呼吸器 最終更新: 2026-07-11

食事との関係

肥満が増悪因子。減量・体重管理が管理の要(療法食よりも体重コントロール)

家で気づけるサイン

  • 乾いた「ガチョウの鳴き声」のような発作的な咳(最も多い徴候)
  • 興奮・運動・暑さ・首輪の圧迫で咳が悪化する
  • 呼吸が苦しそう・ゼーゼーする
  • 重症時は舌が青紫になる(チアノーゼ)・失神

受診の目安

早めに受診(続く乾いた咳・ガチョウ様の咳は評価対象)。舌が青紫(チアノーゼ)・呼吸困難・興奮後の失神・ぐったりは緊急(夜間救急)

年齢の傾向

中年〜高齢で顕在化することが多い(ある小型犬コホートでは平均約11歳、9割超が8歳以上)

なりやすいとされる犬種・猫種

この病気に触れている図鑑のページ

3件の犬種・猫種のページが、気をつけたい病気としてこの病気を挙げています。 かかりやすさは個体差が大きく、ここに名前があることが「必ずなる」という意味ではありません。

詳しい解説

気管虚脱(Tracheal Collapse)

空気の通り道である気管(軟骨の輪で支えられた管)が、つぶれて扁平になり空気が通りにくくなる病気。トイ〜小型犬に多く、進行性・慢性の経過をとる。最も特徴的なのは「ガチョウの鳴き声」に例えられる乾いた発作的な咳で、ある小型犬110例の研究(Kim M-R, et al. 2024, Front Vet Sci, PMID 39205804)では98.1%に慢性の咳が見られた。興奮・運動・暑さ・首輪による首の圧迫で悪化しやすい。

古典的にはヨークシャー・テリアが代表犬種とされるが、近年のアジア圏コホートではマルチーズポメラニアンプードルチワワが上位を占めるなど、その土地で人気の小型犬に多く出る。日本でも人気の高い小型犬が該当するため、身近な病気といえる。肥満・心疾患・慢性気管支炎があると悪化しやすく、減量が管理上とても重要とされる(MSD/Merck Veterinary Manual、2026-07-11確認)。治療の詳細は獣医師の判断領域であり、本ページは受診判断の支援にとどめる。

好発品種(根拠の別)

いずれも小型犬・トイ犬種の構造的な素因にもとづく(疫学的関連。確立した遺伝子検査はない)。

飼い主が気づける徴候

  • 乾いた「ガチョウの鳴き声」のような発作的な咳(最も多い)
  • 興奮・運動・暑さ・首輪を引いたときに咳が悪化
  • 呼吸が苦しそう・ゼーゼーする
  • 重症時は舌が青紫になる(チアノーゼ)・失神

受診目安・予防

  • 早めに受診: 続く乾いた咳・ガチョウ様の咳は評価が必要。
  • 緊急(夜間救急): 舌が青紫(チアノーゼ)・強い呼吸困難・興奮後の失神・ぐったりして動けない。
  • 予防・早期発見: 確立した遺伝子検査はない。首輪でなくハーネスを使う、肥満を避ける、興奮・暑さを避けることが悪化予防につながる。減量・体重管理は管理の要。
  • 本ページは受診判断の支援であり、治療・薬剤の指南ではない。

費用の目安

気管虚脱にかかるお金は、症状の重さ・通う回数・住んでいる地域・その病院の料金設定で変わります。 ここに出すのは見積もりではなく、公表されている調査から拾った幅です。 自分の家の場合にいくらになるかは、かかりつけの病院で聞くのが確実です。

実際に支払われた金額から

対象何の金額か金額値の種類もとの表
全診療・ポメラニアン1年間にかかった総額59,403円平均p.25 図表2-2-17
全診療・ポメラニアン1年間にかかった総額21,252円まんなかの値p.25 図表2-2-17

出典: アニコム家庭どうぶつ白書2025

いつのデータか: もとの資料に、いつからいつまでを数えたかの記載がありません

読むときの注意: 保険に入っている家庭の記録です。窓口でその場で精算できるぶん受診しやすく、入っていない家庭より金額が高めに出ることがあります。契約できる年齢に上限があるため、高齢になってから迎えた子は含まれにくくなっています

動物病院の料金表から(項目ごと)

項目金額この検査・処置を行っていない病院もとの表
気管虚脱手術犬猫共通45,000円83.4%p.50(PDF p.55)

「この検査・処置を行っていない病院」の欄は、そう答えた病院の割合です。数字が大きい項目は、 かかりつけでは対応しておらず、紹介先の病院に移ることがあります。

出典: 日本獣医師会 家庭飼育動物(犬・猫)の診療料金実態調査 調査結果(令和5年9月)

いつのデータか: 2021年8月から10月にかけて動物病院に行ったアンケートで、そのときの料金設定です

読むときの注意: 回答した病院の自己申告です。獣医師の団体が料金の基準を決めることは法律で禁じられているため、全国共通の定価はありません。回答した病院の96.3%はふだんの診察を担う病院なので、紹介先の専門病院の料金とはずれることがあります

この数字の読み方

金額はどれも過去の調査をまとめたもので、いまの料金や、目の前の子にかかる額とは違います。 税込みか税別かも調査によって扱いが違います。

病院ごとに料金は自由に決められるため、同じ処置でも差が出ます。 気になるときは、受診の前に電話で聞いても構いません。金額を先に確認するのは失礼なことではありません。

獣医師に相談するための質問リスト

そのまま診察に持って行けるように整理しました。答えは診察でしか決まりません。

  1. いま与えているフードは、気管虚脱と診断された今の状態に合っていますか?
  2. 食事の内容や与え方について、いま変えたほうがよい点はありますか?(種類・量・回数・水分の取り方)
  3. おやつやトッピングは続けてよいですか?避けたほうがよいものはありますか?
  4. 家で見ておくべきサインはどれですか?(気づいた変化: 乾いた「ガチョウの鳴き声」のような発作的な咳(最も多い徴候)/興奮・運動・暑さ・首輪の圧迫で咳が悪化する など)
  5. 次の受診や再検査はいつ頃がよいですか?その間に悪化を示すサインはどれですか?
  6. 今後の健診や定期検査で、確認しておくとよい項目はありますか?
  7. 食事以外に、家でできる工夫(環境・運動・体重)はありますか?

出典(2件)

このページは受診の判断を支える一般情報であり、診断や個別の助言ではありません。 症状や食事の方針は、かかりつけの獣医師の診察に基づいて決めてください。