犬猫小町(準備中)

骨肉腫

Osteosarcoma 対象: 犬 分類: 腫瘍 最終更新: 2026-07-14

食事との関係

特になし(食事が直接の原因・治療対象となる疾患ではない)。ただし大型犬の成長期に適正な体重・体格を保つことは骨格の健康の一般論として望ましい

家で気づけるサイン

  • 足を引きずる・足を引きずる様子が続く(休んでも治らない・だんだん悪化する)
  • 四肢の一部が硬く腫れてくる(骨のふくらみ)
  • 触ると痛がる、患部を気にして舐める・落ち着かない
  • 元気・食欲の低下
  • 軽い動作や衝撃で急に足をつけなくなる(病的骨折)
  • 好発部位は「肘から遠く、膝に近い」四肢の末端(前肢の手首側・肩側、後肢の膝まわり)

受診の目安

早めに受診(当日〜数日内)— 休んでも治らない足を引きずる・四肢の一点の腫れ・持続する痛みはX線評価を。急にまったく足をつけなくなる(病的骨折の疑い)は当日〜救急。放置で肺転移が進むため早期評価が重要

年齢の傾向

二峰性。中〜高齢に大きなピーク(約8割が7歳以上)、若齢(3歳未満)に小さなピーク。大型・超大型犬に多い

なりやすいとされる犬種・猫種

詳しい解説

骨肉腫(Osteosarcoma)

骨肉腫は、骨を作る細胞から発生する悪性の骨腫瘍で、犬の原発性骨腫瘍の8割以上を占めるもっとも多い骨のがんです(MSD)。進行が速く、早い段階から肺などへ転移しやすいのが特徴とされます。好発部位は四肢の長骨の末端で、「肘から遠く、膝に近い」場所(前肢では手首側の橈骨遠位・肩側の上腕骨近位、後肢では膝まわりの大腿骨遠位・脛骨近位)に多く見られます。

体格との関連が強く、体重・体高が大きいほどリスクが上がるため、大型・超大型犬に多い病気です(Ru 1998)。発症年齢は二峰性で、多くは中〜高齢(7歳以上に約8割)ですが、若齢(3歳未満)にも小さなピークがあります(Makielski 2019)。

好発品種(根拠の別)

骨肉腫の好発は、特定の遺伝子検査というより体格(体高・体重)に強く相関する疫学的な傾向です(Ru 1998)。大型・超大型犬に多く、グレイハウンド・アイリッシュ・ウルフハウンドディアハウンド・スパニッシュ・グレイハウンドといったサイトハウンドロットワイラーグレート・デーンセント・バーナードレオンベルガーマスティフゴールデン・レトリーバーなどで報告が多く知られます。GWASの研究ではグレイハウンドロットワイラーアイリッシュ・ウルフハウンドが高リスク犬種として挙げられています(Makielski 2019)。確立した単一遺伝子の検査が実用化されているわけではありません。小型犬では相対的にまれで、猫にも発生しますが犬ほど多くありません。

飼い主が気づける徴候

  • 足を引きずる、足を引きずる様子が続く(休ませても治らない、むしろ悪化していく)
  • 四肢の一部が硬く腫れてくる(骨のふくらみ)
  • 触ると痛がる、患部を気にして舐める・落ち着かない
  • 元気や食欲の低下
  • 軽い動作や衝撃で急に足をつけなくなる(もろくなった骨が折れる=病的骨折)

初期は軽い足を引きずる様子だけのことも多く、「捻挫かな」と様子を見ているうちに悪化する例が少なくありません。休んでも治らない足を引きずる様子や、一点の腫れ・痛みは重要なサインです。

受診目安・予防

  • 休んでも治らない足を引きずる様子、四肢の一点の腫れ、触ると痛がる状態が数日続くなら、早めに受診してX線検査を(当日〜数日内)。
  • 軽い動作で急にまったく足をつけなくなった場合は、病的骨折の疑いがあり当日〜救急での受診を。
  • 根本的な予防法は確立していませんが、好発犬種・大型犬では「治らない跛行+一点の腫れ・痛み」に早く気づくことが早期発見につながります。診断時には胸部X線で肺転移の有無も確認されます。
  • 具体的な検査・治療内容は獣医師の診察に委ねます(本項では扱いません)。
  • 本ページは受診判断の支援を目的とし、治療の選択は担当獣医師の診察に基づきます。

費用の目安

骨肉腫にかかるお金は、症状の重さ・通う回数・住んでいる地域・その病院の料金設定で変わります。 ここに出すのは見積もりではなく、公表されている調査から拾った幅です。 自分の家の場合にいくらになるかは、かかりつけの病院で聞くのが確実です。

動物病院の料金表から(項目ごと)

項目金額この検査・処置を行っていない病院もとの表
断脚(後肢)犬猫共通62,500円20.1%p.60(PDF p.65)

「この検査・処置を行っていない病院」の欄は、そう答えた病院の割合です。数字が大きい項目は、 かかりつけでは対応しておらず、紹介先の病院に移ることがあります。

出典: 日本獣医師会 家庭飼育動物(犬・猫)の診療料金実態調査 調査結果(令和5年9月)

いつのデータか: 2021年8月から10月にかけて動物病院に行ったアンケートで、そのときの料金設定です

読むときの注意: 回答した病院の自己申告です。獣医師の団体が料金の基準を決めることは法律で禁じられているため、全国共通の定価はありません。回答した病院の96.3%はふだんの診察を担う病院なので、紹介先の専門病院の料金とはずれることがあります

この数字の読み方

金額はどれも過去の調査をまとめたもので、いまの料金や、目の前の子にかかる額とは違います。 税込みか税別かも調査によって扱いが違います。

病院ごとに料金は自由に決められるため、同じ処置でも差が出ます。 気になるときは、受診の前に電話で聞いても構いません。金額を先に確認するのは失礼なことではありません。

獣医師に相談するための質問リスト

そのまま診察に持って行けるように整理しました。答えは診察でしか決まりません。

  1. いま与えているフードは、骨肉腫と診断された今の状態に合っていますか?
  2. 食事の内容や与え方について、いま変えたほうがよい点はありますか?(種類・量・回数・水分の取り方)
  3. おやつやトッピングは続けてよいですか?避けたほうがよいものはありますか?
  4. 家で見ておくべきサインはどれですか?(気づいた変化: 足を引きずる・足を引きずる様子が続く(休んでも治らない・だんだん悪化する)/四肢の一部が硬く腫れてくる(骨のふくらみ) など)
  5. 次の受診や再検査はいつ頃がよいですか?その間に悪化を示すサインはどれですか?
  6. 今後の健診や定期検査で、確認しておくとよい項目はありますか?
  7. 食事以外に、家でできる工夫(環境・運動・体重)はありますか?

出典(3件)

  • 業界標準確認日 2026-07-14

    Bone Tumors in Dogs and Cats

    骨肉腫は犬の原発性骨腫瘍の80%超を占める最多の骨腫瘍。好発部位は橈骨遠位・上腕骨近位・大腿骨遠位・脛骨近位(=肘から遠く膝に近い四肢末端)。徴候は足を引きずる・骨の腫れ・非外傷性の病的骨折。多くは肺転移でその後の見通しを左右する

    出典サイト

  • 査読論文確認日 2026-07-14

    Ru G, Terracini B, Glickman LT, 1998, 症例…

    骨肉腫リスクは年齢・体重・標準体重・標準体高の増加とともに上昇し、大型・超大型犬で最も高い。小型犬はリスクが低い

    PubMed (PMID 9691849)

  • 査読論文確認日 2026-07-14

    Makielski KM ほか, 2019, 比較レビュー, Veterinar…

    犬の骨肉腫は年齢が二峰性(7歳超に約80%、3歳未満に小ピーク)、大型(25–45kg)・超大型(>45kg)で高リスク。GWASでグレイハウンド・ロットワイラー・アイリッシュウルフハウンドを高リスク犬種として記載。多くは四肢長骨に発生(56–86%)

    PubMed (PMID 31130627)DOI 10.3390/vetsci6020048

このページは受診の判断を支える一般情報であり、診断や個別の助言ではありません。 症状や食事の方針は、かかりつけの獣医師の診察に基づいて決めてください。