犬猫小町(準備中)

多発性嚢胞腎

Polycystic Kidney Disease (PKD) 対象: 猫 分類: 腎泌尿器 最終更新: 2026-07-11

食事との関係

進行して慢性腎臓病(CKD)に至った場合は腎臓療法食による管理の対象となりうる

家で気づけるサイン

  • 水をよく飲み尿量が増える(多飲多尿)
  • 食欲が落ちる・体重が徐々に減る
  • 元気がない・毛づやが悪い
  • 嘔吐が増える
  • 進行すると脱水や痩せが目立つ

受診の目安

早めに受診(多飲多尿・食欲低下・体重減少が続く場合)。急な食欲廃絶・嘔吐の反復・尿がほとんど出ない場合は当日受診

年齢の傾向

嚢胞は生まれつき存在するが、腎機能低下による症状は中年齢(およそ3〜10歳・平均約7歳)で現れることが多い

なりやすいとされる犬種・猫種

この病気に触れている図鑑のページ

6件の犬種・猫種のページが、気をつけたい病気としてこの病気を挙げています。 かかりやすさは個体差が大きく、ここに名前があることが「必ずなる」という意味ではありません。

詳しい解説

多発性嚢胞腎(Polycystic Kidney Disease (PKD))

腎臓に液体のたまった多数の袋(嚢胞)が生まれつき存在し、加齢とともに嚢胞が数・大きさを増して正常な腎組織を圧迫し、最終的に慢性腎臓病(CKD)へ進行しうる遺伝性の病気。猫では PKD1 遺伝子の変異による常染色体優性遺伝が知られ、親のどちらかが保因であれば子に受け継がれうる(UC Davis VGL・J Vet Med Sci 2019)。嚢胞は生後から存在するが、腎機能が保たれる若いうちは無症状のことが多く、症状は中年齢(およそ3〜10歳・平均約7歳)で現れることが多いとされる。

進行するまで気づかれにくいため、好発品種では症状が出る前のスクリーニングが早期発見の鍵になる。

好発品種(根拠の別)

最も高頻度なのはペルシャで、PKD1変異を検出する遺伝子検査(DNA検査)が確立している(UC Davis VGL)。ペルシャを祖先に持つ品種にも同じ変異が受け継がれており、ブリティッシュ・ショートヘア、ラグドールラガマフィンスコティッシュ・フォールドミヌエット(ナポレオン)、エキゾチック・ショートヘア、ヒマラヤンなどが遺伝子検査の対象品種とされる。国内の疫学調査(J Vet Med Sci 2019, PMID 31155548)では、スコティッシュ・フォールド54%・アメリカン・ショートヘア47%・ペルシャ46%と高いPKD1変異保有率が報告されている(疫学的関連)。サイベリアンも検査対象品種に含まれる。裏付けの取れない品種名は挙げていない。

飼い主が気づける徴候

  • 水をよく飲み、尿量が増える(多飲多尿)
  • 食欲が落ちる・体重が徐々に減る
  • 元気がない・毛づやが悪くなる
  • 嘔吐が増える
  • 進行すると脱水や痩せが目立つ

いずれも慢性腎臓病に共通する徴候で、多発性嚢胞腎に特有のサインがあるわけではない。だからこそ好発品種では、症状が出る前の超音波・遺伝子検査による確認が意味を持つ。

受診目安・予防

多飲多尿・食欲低下・体重減少が続く場合は早めに受診する。急に食欲がなくなる・嘔吐を繰り返す・尿がほとんど出ないといった場合は当日受診が望ましい。好発品種では、繁殖前のPKD1遺伝子検査で保因の有無を確認でき、腹部超音波(エコー)検査で嚢胞の有無を早期にスクリーニングできる。診断後の経過観察や食事を含む管理方針は獣医師の診察に委ねる(本項では治療内容は扱わない)。

獣医師に相談するための質問リスト

そのまま診察に持って行けるように整理しました。答えは診察でしか決まりません。

  1. いま与えているフードは、多発性嚢胞腎と診断された今の状態に合っていますか?
  2. 食事の内容や与え方について、いま変えたほうがよい点はありますか?(種類・量・回数・水分の取り方)
  3. おやつやトッピングは続けてよいですか?避けたほうがよいものはありますか?
  4. 家で見ておくべきサインはどれですか?(気づいた変化: 水をよく飲み尿量が増える(多飲多尿)/食欲が落ちる・体重が徐々に減る など)
  5. 次の受診や再検査はいつ頃がよいですか?その間に悪化を示すサインはどれですか?
  6. 今後の健診や定期検査で、確認しておくとよい項目はありますか?
  7. 食事以外に、家でできる工夫(環境・運動・体重)はありますか?

出典(2件)

このページは受診の判断を支える一般情報であり、診断や個別の助言ではありません。 症状や食事の方針は、かかりつけの獣医師の診察に基づいて決めてください。