健康管理の言葉
前十字靭帯ぜんじゅうじじんたい
後ろ足のひざの中にある、すねの骨が前へずれないよう押さえているじょうぶなひも。ここが弱って切れると後ろ足をかばうようになり、これを前十字靭帯断裂という。
最終更新: 2026-08-04
どういう意味?
前十字靭帯は、後ろ足の真ん中の関節(ひざ)の中にある、じょうぶなひも状の組織です。 ふとももの骨とすねの骨をつないでいて、すねの骨が前へ滑り出さないよう押さえるのが役目です。 人のひざにある前十字靭帯(ACL)と同じ場所にあります。
このひざの中には、半月板というクッションの役目をする軟骨のような組織も入っています。 前十字靭帯が切れると、すねの骨が前にずれて半月板を押しつぶし、一緒に傷むことがあります。
「転んだ拍子にブチッと切れる」イメージを持たれがちですが、犬ではそうとは限りません。 多くは数か月から年単位でゆっくり弱っていった靭帯が、いつもの動作の中で切れるもので、 健康な靭帯が一度のけがで切れることはまれとされています(ACVS)。 加齢による靭帯の変化・太りすぎ・運動不足の体つき・遺伝・骨格の形・犬種などが 重なって起こると考えられており、片方で起きた犬はもう片方でも起きやすい傾向が知られています。
気づくサイン
家で気づけるのは、次のような「後ろ足のかばい方」です。
- 急に後ろ足を1本上げて、その足に体重をかけられなくなる
- 立ち上がるとき・座るときにためらう、動作がぎこちない
- 座ったときに、片方の後ろ足だけ横に投げ出すように出す
- 段差や階段、ソファへの飛び乗りをいやがるようになった
- 悪いほうの足のふとももだけ、だんだん細く見えてくる
- 散歩や運動のあとに足を引きずり、休むと軽くなる(また運動すると戻る)
受診の目安: 急に足を着けなくなった・強く痛がるときは、その日のうちに動物病院へ。 びっこや立ち上がりにくさが数日続くときも早めに相談してください。 ひざの中で起きていることは外から見て分からず、触っての検査や画像の検査が必要です。 家で様子を見続けず、気づいたときの歩き方を動画に撮っておくと診察で役立ちます。 どう対応するかは、診察した獣医師が判断します。
図鑑での読み方
犬種ページの「気をつけたい病気」に前十字靭帯断裂がある犬種は、中〜大型犬が中心です。 日々のケアでは、適正体重を保つこと、運動していない状態からいきなり全力で走らせないこと、 滑る床に足を取られない環境を整えることが挙げられます。
中〜大型犬の後ろ足のびっこは、この靭帯が関わっていることがある——と知っておくだけでも、 「様子見でいいか、受診か」の判断がしやすくなります。