犬猫小町(準備中)

健康と受診

症状トリアージ

最終更新: 2026-07-13

症状トリアージ(受診目安)

飼い主が「様子を見ていいか、今すぐ病院か」を判断するための目安。これは診断ではなく受診判断の支援で、病名を決めるものではない(獣医療広告・薬機法の表現規制に留意)。迷ったら受診・電話相談が原則。特に子犬子猫・シニア・持病のある子は悪化が速いため、下表より早めに動く。

症状別トリアージ表(緊急 / 当日 / 様子見)

赤字級の緊急サインが1つでもあれば、時間帯を問わず救急対応のできる病院へ。夜間・休日は事前に電話して受け入れを確認する。

symptom(症状) species red_flags(緊急・夜間救急レベル) same_day(当日受診が望ましい) watchable(様子見の範囲と上限) related(関連)
嘔吐 両方 何度も繰り返す/吐物に血・便臭/お腹が張り空えずき(胃拡張・胃捻転の疑い=大型犬は超緊急)/ぐったり・水も飲めない/異物・中毒物の摂取後 1〜2回でも元気・食欲が落ちる/半日以上続く/下痢を併発 1回のみで直後もケロッとして元気・食欲あり → 半日〜当日中は絶食気味に様子見可 胃拡張・胃捻転膵炎応急処置
下痢 両方 血便・黒いタール状便/噴水状に何度も/嘔吐を伴いぐったり・脱水/子犬子猫の連続下痢 半日〜1日続く/軟便が繰り返す/食欲低下を伴う 1〜2回の軟便で元気・食欲あり → 1日まで。改善なければ受診 膵炎応急処置
食欲不振 両方(猫は特に注意 猫が丸1日以上食べない肝リピドーシスのリスク)/水も飲まない/ぐったり・嘔吐や黄疸を伴う 犬猫とも食欲低下が続く/体重減少・飲水量の変化を伴う(慢性腎臓病等) 1食抜いたが次の食事は食べ元気もある → 短時間の様子見可。猫の絶食は長引かせない 肝リピドーシス慢性腎臓病
呼吸が荒い・咳 両方 開口呼吸(特に猫)・舌や歯茎が青紫(チアノーゼ)/お腹を使う苦しそうな呼吸/安静時呼吸数が明らかに増える/横になれず座り込む 咳が続く・運動後にひどい/いびき様の呼吸が悪化(短頭種 ごく短い一過性の咳で直後は普段どおり → 短時間の様子見可。呼吸困難は様子見しない 肥大型心筋症猫喘息僧帽弁閉鎖不全症気管虚脱短頭種気道症候群
発作・けいれん 両方 5分以上続く/短時間に繰り返す(群発)/意識が戻らない=救急/初めての発作 短い発作が起きて回復したが原因不明/持病がある 過去に評価済みで短時間・完全回復のパターンが既知の場合のみ、記録して定期受診 特発性てんかん低血糖応急処置
排尿できない・出にくい 両方(オス猫は最緊急 半日以上尿が出ない/何度も踏ん張るのに出ない・鳴く・血尿・ぐったり=尿道閉塞は緊急(完全閉塞は数日で命に関わる) 頻回に少量ずつ・トイレに行く回数が増える/血が混じる 明確な様子見枠は設けない。「出ていない」は当日〜緊急で受診 特発性膀胱炎尿石症
歩様異常・急に立てない 両方 突然の後肢麻痺+激しい痛み(猫は肥大型心筋症由来の血栓塞栓を疑う=救急)/急に立てず背中を痛がる(椎間板ヘルニアの疑い)/足をまったくつけないほど強く引きずる 足を引きずる状態が続く・時々足を上げる/段差を嫌がる・階段を渋る 少し足を引きずったが、休ませたら普段どおり歩く → 1〜2日まで。反復・悪化は受診 椎間板ヘルニア膝蓋骨脱臼股関節形成不全肥大型心筋症
誤飲・誤食の疑い 両方 中毒性の食材・薬・異物を食べた/食べた後に嘔吐・よだれ・ふらつき・けいれん/量が多い・不明 少量でも中毒性の疑いがあるもの(下記参照)は量が不明でも当日受診 明確な様子見枠は設けない。 NG食材・中毒に該当するものは「たぶん少しだから」で様子見しない NG食材・中毒応急処置

様子見中にできること/してはいけないこと(home_care)

様子見を選べる軽症のときでも、次を守る。「してはいけないこと」は状況を悪化させたり受診を遅らせたりするため重要

  • できること: 静かで涼しい場所で休ませる/新鮮な水は飲める状態にする/症状の回数・時刻・見た目(吐物や便の色・尿の有無)を記録する/可能なら短い動画を撮る(発作・呼吸・歩様は動画が受診時に役立つ)。
  • してはいけないこと: 自己判断で人用の薬を与えない/自己判断で吐かせない(→ 中毒・誤飲は 応急処置・中毒対応 が正)/無理に食べさせる・水を飲ませる(誤嚥のもと)/「様子見の上限」を超えて粘らない。
  • 記録して伝えると診察が早い: いつから・どのくらいの頻度・食べた/触れた可能性のあるもの・普段との違い・持病や飲んでいるものの有無。

種差・重要ポイント

  • 猫の尿が出ないは、特にオスで命に関わる緊急(尿道閉塞は完全閉塞だと数日で危険)。「トイレに何度も行くのに出ていない」を軽視しない(特発性膀胱炎尿石症)。
  • 猫の急な後肢の麻痺・激痛は、肥大型心筋症に伴う血栓塞栓のサインのことがあり救急。
  • 大型犬・胸の深い犬種の食後の空えずき+腹部膨満胃拡張・胃捻転 の疑いで一刻を争う。
  • 猫が丸1日以上食べないのは 肝リピドーシス の引き金になりうるため、絶食を長引かせない。
  • 予防で受診頻度を減らす発想は 予防医療カレンダー、実際の初動手当ては 応急処置・中毒対応 を参照。

一次確認したい点(精度向上メモ)

  • 各症状の「様子見の時間上限」は個体差が大きく、現状は獣医療で一般的な目安。日本獣医師会・救急系ガイドラインでの数値確認余地あり。
  • 呼吸数・脱水の家庭での簡易チェック(安静時呼吸数の基準値等)を一次ソースで補強したい。

このページは受診や診断の代わりにはなりません。迷ったとき、いつもと違うと感じたときは、 かかりつけの獣医師に相談してください。

健康と受診の他のガイド

出典(2件)

  1. 01What to Do in a Dog or Cat Emergency出典サイト
  2. 02Urethral Obstruction in Small Animals出典サイト