レッグ・カルベ・ペルテス病
Legg-Calve-Perthes Disease 対象: 犬 分類: 整形 最終更新: 2026-07-11
食事との関係
食事が直接の原因・治療対象となる疾患ではない。ただし過体重は患肢への負担を増やすため、適正体重の維持は補助的に有用
家で気づけるサイン
- 後肢(片方)を挙げる・かばう足を引きずる様子(数週間かけて徐々に悪化することが多い)
- 患肢の太もも(大腿)の筋肉が細くなる(筋萎縮)
- 股関節を動かすと痛がる・軋轢音(ゴリゴリ)がする
- 活動性の低下、患肢に体重をかけたがらない
- 進行すると患肢を全く着かなくなる
受診の目安
早めに受診(若齢のトイ犬で後ろ足を引きずる様子が続く・徐々に悪化する場合。強い痛みや患肢を全く着かない場合は当日受診)
年齢の傾向
若齢のトイ・小型犬(多くは生後4〜11か月)。片側が多いが両側性のこともある
なりやすいとされる犬種・猫種
- ヨークシャー・テリア(遺伝性・OFAスクリーニング対象)
- プードル(トイ)(遺伝的関与の報告)
- チワワ(遺伝性・OFAスクリーニング対象)
- ポメラニアン(遺伝性・OFAスクリーニング対象)
- ミニチュア・シュナウザー(遺伝性・OFAスクリーニング対象)
- マンチェスター・テリア(遺伝様式の報告)
- ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリア(疫学的関連)
この病気に触れている図鑑のページ
18件の犬種・猫種のページが、気をつけたい病気としてこの病気を挙げています。 かかりやすさは個体差が大きく、ここに名前があることが「必ずなる」という意味ではありません。
詳しい解説
レッグ・カルベ・ペルテス病(Legg-Calve-Perthes Disease)
大腿骨頭(股関節側の骨の丸い部分)への血流が妨げられ、骨組織が壊死して大腿骨頭・頸部が変形・崩壊していく病気。大腿骨頭無菌性壊死(aseptic/avascular necrosis of the femoral head)とも呼ばれる。若齢のトイ・小型犬、特にテリア系に好発し、多くは生後4〜11か月で後ろ足を引きずる様子として現れる(MSD)。二次性の変形性関節症(関節炎)を伴い、痛みと足を引きずる様子が続く。
進行が数週間かけて緩やかなことが多く、「小型犬が片方の後ろ足を上げてケンケンする」「だんだんかばうようになった」という形で気づかれやすい。
好発品種(根拠の別)
若齢のトイ・小型犬に好発する。OFA が表現型評価(スクリーニング)の対象とする好発28犬種には、チワワ、ポメラニアン、ヨークシャー・テリア、ミニチュア・シュナウザーなどのトイ・小型犬が並ぶ(遺伝性・OFAスクリーニング対象)。MSD は遺伝的関与を示唆し、マンチェスター・テリアで遺伝様式が、トイ・プードルで遺伝支配の仮説が報告されているとする(遺伝様式・遺伝的関与の報告)。ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアなどのテリア系でも知られる(疫学的関連)。いずれも確立した遺伝子(DNA)検査ではなく、X線による表現型評価である点に留意。裏付けの取れない品種名は挙げていない。
飼い主が気づける徴候
- 片方の後肢を挙げる・かばう足を引きずる様子(数週間かけて徐々に悪化することが多い)
- 患肢の太もも(大腿)の筋肉が細くなる(筋萎縮)
- 股関節を動かすと痛がる、ゴリゴリという軋轢音がする
- 活動性が落ちる、患肢に体重をかけたがらない
- 進行すると患肢を全く着かなくなる
受診目安・予防
若齢のトイ・小型犬で後ろ足を引きずる様子が続く、あるいは徐々に悪化する場合は早めに受診する。強い痛みがある・患肢を全く着かない場合は当日受診が望ましい。繁殖を考える場合は OFA の X線スクリーニング(12か月齢以上)で評価を受けることが推奨され、発症犬は繁殖に用いないことが望ましいとされる。過体重は患肢の負担を増やすため適正体重の維持も補助的に有用。診断は X線検査で行うため、成長期の一過性の足を引きずる様子と自己判断せず受診する。具体的な治療内容(外科的処置を含む)は獣医師の診察に委ねる(本項では扱わない)。
費用の目安
レッグ・カルベ・ペルテス病にかかるお金は、症状の重さ・通う回数・住んでいる地域・その病院の料金設定で変わります。 ここに出すのは見積もりではなく、公表されている調査から拾った幅です。 自分の家の場合にいくらになるかは、かかりつけの病院で聞くのが確実です。
動物病院の料金表から(項目ごと)
| 項目 | 金額 | この検査・処置を行っていない病院 | もとの表 |
|---|---|---|---|
| 大腿骨頭切除術犬猫共通 | 62,500円 | 33.3% | p.59(PDF p.64) |
「この検査・処置を行っていない病院」の欄は、そう答えた病院の割合です。数字が大きい項目は、 かかりつけでは対応しておらず、紹介先の病院に移ることがあります。
出典: 日本獣医師会 家庭飼育動物(犬・猫)の診療料金実態調査 調査結果(令和5年9月)
いつのデータか: 2021年8月から10月にかけて動物病院に行ったアンケートで、そのときの料金設定です
読むときの注意: 回答した病院の自己申告です。獣医師の団体が料金の基準を決めることは法律で禁じられているため、全国共通の定価はありません。回答した病院の96.3%はふだんの診察を担う病院なので、紹介先の専門病院の料金とはずれることがあります
この数字の読み方
金額はどれも過去の調査をまとめたもので、いまの料金や、目の前の子にかかる額とは違います。 税込みか税別かも調査によって扱いが違います。
病院ごとに料金は自由に決められるため、同じ処置でも差が出ます。 気になるときは、受診の前に電話で聞いても構いません。金額を先に確認するのは失礼なことではありません。
獣医師に相談するための質問リスト
そのまま診察に持って行けるように整理しました。答えは診察でしか決まりません。
- いま与えているフードは、レッグ・カルベ・ペルテス病と診断された今の状態に合っていますか?
- 食事の内容や与え方について、いま変えたほうがよい点はありますか?(種類・量・回数・水分の取り方)
- おやつやトッピングは続けてよいですか?避けたほうがよいものはありますか?
- 家で見ておくべきサインはどれですか?(気づいた変化: 後肢(片方)を挙げる・かばう足を引きずる様子(数週間かけて徐々に悪化することが多い)/患肢の太もも(大腿)の筋肉が細くなる(筋萎縮) など)
- 次の受診や再検査はいつ頃がよいですか?その間に悪化を示すサインはどれですか?
- 今後の健診や定期検査で、確認しておくとよい項目はありますか?
- 食事以外に、家でできる工夫(環境・運動・体重)はありますか?
出典(2件)
Aseptic Necrosis of the Femoral Head in Dogs
Legg-Calve-Perthes
このページは受診の判断を支える一般情報であり、診断や個別の助言ではありません。 症状や食事の方針は、かかりつけの獣医師の診察に基づいて決めてください。