白内障
Cataract 対象: 犬 分類: 眼 最終更新: 2026-07-11
食事との関係
犬では糖尿病に続発する白内障が多い(糖尿病犬の85%超で白内障を生じるとされる)。糖尿病では療法食による血糖管理が関わる(獣医師の指示による)
家で気づけるサイン
- 瞳孔の奥が白く濁って見える
- ものにぶつかる、動きが慎重・不安げになる
- 段差や薄暗い場所を嫌がる
- (糖尿病が背景の場合)多飲多尿・体重減少を伴うことがある
受診の目安
早めに受診(急性ではないが、続発性ぶどう膜炎・緑内障のリスク)。多飲多尿など糖尿病を疑う所見を伴うときは当日受診
年齢の傾向
遺伝性は先天〜若年(数か月〜数歳)、加齢性は高齢。糖尿病に続発する例は発症後に急速進行することがある
なりやすいとされる犬種・猫種
この病気に触れている図鑑のページ
66件の犬種・猫種のページが、気をつけたい病気としてこの病気を挙げています。 かかりやすさは個体差が大きく、ここに名前があることが「必ずなる」という意味ではありません。
犬種
アイリッシュ・ウォーター・スパニエル・アイリッシュ・テリア・アイリッシュ・レッド・アンド・ホワイト・セター・アフガン・ハウンド・アメリカン・スタッフォードシャー・テリア・アラスカン・マラミュート・イタリアン・グレーハウンド・イビザン・ハウンド・イングリッシュ・コッカー・スパニエル・イングリッシュ・スプリンガー・スパニエル・ウェルシュ・スプリンガー・スパニエル・オーストラリアン・シェパード・オーストラリアン・シルキー・テリア・オーストラリアン・テリア・オールド・イングリッシュ・シープドッグ・カーリーコーテッド・レトリーバー・キング・チャールズ・スパニエル・ケアーン・テリア・ケリー・ブルー・テリア・ゴードン・セター・コトン・ド・テュレアール・コリア・ジンドー・ドッグ・サールロース・ウルフドッグ・シーリハム・テリア・シベリアン・ハスキー・ジャーマン・ハンティング・テリア・ジャーマン・ピンシャー・ジャーマン・ワイアーヘアード・ポインター・スカイ・テリア・スタッフォードシャー・ブル・テリア・スタンダード・シュナウザー・スムース・フォックス・テリア・チェサピーク・ベイ・レトリーバー・チェスキー・テリア・チベタン・スパニエル・チベタン・テリア・チャウ・チャウ・ノルウェジアン・ブーフント・パーソン・ラッセル・テリア・パグ・バセット・ハウンド・ハバニーズ・ビアデッド・コリー・フィールド・スパニエル・フィニッシュ・ラップフンド・プーリー・プチ・ブラバンソン・ブラック・アンド・タン・クーンハウンド・ブリアード・ブリュッセル・グリフォン・ベルジアン・グリフォン・ベルジアン・シェパード・ドッグ・ボースロン・ポーチュギーズ・ウォーター・ドッグ・ボロニーズ・マンチェスター・テリア・ミニチュア・アメリカン・シェパード・ムーディー・ラージ・ミュンスターレンダー・ラゴット・ロマニョーロ・ランカシャー・ヒーラー・レークランド・テリア・ローシェン・ロットワイラー・ワイアー・フォックス・テリア・狆
詳しい解説
白内障(Cataract)
白内障は、目の中でレンズの役割をする水晶体が白く濁り、光が網膜まで届きにくくなって視力が低下する病気です。原因は多様で、犬では 遺伝性(先天性・若年性) と 加齢性、そして 糖尿病に続発するもの が代表的です。とくに糖尿病では続発する白内障が多く、糖尿病犬の85%超で白内障を生じるとされます。進行した白内障は続発性のぶどう膜炎や緑内障を招くことがあり、また進行性網膜萎縮(PRA)の末期に白内障が重なると、背景の網膜疾患が見えにくくなることもあります。
濁りの程度や部位によって見え方への影響は幅があります。加齢に伴う水晶体の生理的な白っぽさ(核硬化)は視力低下を伴わないことが多く、白内障との区別には眼科的な評価が役立ちます。
好発品種(根拠の別を明記)
- ミニチュア・シュナウザー — MSD が先天性の中心性白内障を記載(先天性/若年性)。
- ボストン・テリア・フレンチ・ブルドッグ — HSF4 変異による遺伝性白内障の遺伝子検査あり。
- アメリカン・コッカー・スパニエル・ゴールデン・レトリバー・ラブラドール・レトリバー — MSD が遺伝性白内障の品種として記載(遺伝性)。
- このほか、糖尿病を背景にした続発性白内障は品種を問わず起こりうる。
飼い主が気づける徴候
- 瞳孔の奥(黒目の中心)が白く濁って見える
- ものにぶつかる、動きが慎重・不安げになる
- 段差や薄暗い場所を嫌がる
- 多飲多尿・体重減少など糖尿病を疑う変化を伴うことがある(続発性の場合)
受診目安・予防
- 目の濁りに気づいたら早めに眼科検診を。続発性のぶどう膜炎・緑内障を避けるうえで経過の把握が役立つ。
- 水をよく飲む・尿量が増える・急に濁りが進むといった糖尿病を疑う所見を伴うときは当日受診を。
- 該当犬種はHSF4等の遺伝子検査と定期的な眼科検診、糖尿病の早期発見・管理が予防・早期把握につながる。
- 本ページは受診判断の支援を目的とし、治療(手術適応を含む)の判断は担当獣医師の診察に基づく。
費用の目安
白内障にかかるお金は、症状の重さ・通う回数・住んでいる地域・その病院の料金設定で変わります。 ここに出すのは見積もりではなく、公表されている調査から拾った幅です。 自分の家の場合にいくらになるかは、かかりつけの病院で聞くのが確実です。
実際に支払われた金額から
| 対象 | 何の金額か | 金額 | 値の種類 | もとの表 |
|---|---|---|---|---|
| 犬全診療・トイ・プードル | 1年間にかかった総額 | 68,564円 | 平均 | p.20 図表2-2-2 |
| 犬全診療・トイ・プードル | 1年間にかかった総額 | 20,020円 | まんなかの値 | p.20 図表2-2-2 |
出典: アニコム家庭どうぶつ白書2025
いつのデータか: もとの資料に、いつからいつまでを数えたかの記載がありません
読むときの注意: 保険に入っている家庭の記録です。窓口でその場で精算できるぶん受診しやすく、入っていない家庭より金額が高めに出ることがあります。契約できる年齢に上限があるため、高齢になってから迎えた子は含まれにくくなっています
動物病院の料金表から(項目ごと)
| 項目 | 金額 | この検査・処置を行っていない病院 | もとの表 |
|---|---|---|---|
| 白内障手術犬猫共通 | 7,500円 | 81.9% | p.49(PDF p.54) |
「この検査・処置を行っていない病院」の欄は、そう答えた病院の割合です。数字が大きい項目は、 かかりつけでは対応しておらず、紹介先の病院に移ることがあります。
出典: 日本獣医師会 家庭飼育動物(犬・猫)の診療料金実態調査 調査結果(令和5年9月)
いつのデータか: 2021年8月から10月にかけて動物病院に行ったアンケートで、そのときの料金設定です
読むときの注意: 回答した病院の自己申告です。獣医師の団体が料金の基準を決めることは法律で禁じられているため、全国共通の定価はありません。回答した病院の96.3%はふだんの診察を担う病院なので、紹介先の専門病院の料金とはずれることがあります
この数字の読み方
金額はどれも過去の調査をまとめたもので、いまの料金や、目の前の子にかかる額とは違います。 税込みか税別かも調査によって扱いが違います。
病院ごとに料金は自由に決められるため、同じ処置でも差が出ます。 気になるときは、受診の前に電話で聞いても構いません。金額を先に確認するのは失礼なことではありません。
獣医師に相談するための質問リスト
そのまま診察に持って行けるように整理しました。答えは診察でしか決まりません。
- いま与えているフードは、白内障と診断された今の状態に合っていますか?
- 食事の内容や与え方について、いま変えたほうがよい点はありますか?(種類・量・回数・水分の取り方)
- おやつやトッピングは続けてよいですか?避けたほうがよいものはありますか?
- 家で見ておくべきサインはどれですか?(気づいた変化: 瞳孔の奥が白く濁って見える/ものにぶつかる、動きが慎重・不安げになる など)
- 次の受診や再検査はいつ頃がよいですか?その間に悪化を示すサインはどれですか?
- 今後の健診や定期検査で、確認しておくとよい項目はありますか?
- 食事以外に、家でできる工夫(環境・運動・体重)はありますか?
出典(2件)
このページは受診の判断を支える一般情報であり、診断や個別の助言ではありません。 症状や食事の方針は、かかりつけの獣医師の診察に基づいて決めてください。